スイス戦で確認するのは守備のパターン 本田「守備が良ければ攻撃の特長も出る」

飯尾篤史

非公開トレーニング後、本田が語った

5日目を迎えたゼーフェルト合宿で練習に励む本田圭佑 【写真:ロイター/アフロ】

 スイスとの親善試合を2日後に控えた6月6日(現地時間、以下同)のオーストリア、ゼーフェルト。初の非公開トレーニングを終え、ミックスゾーンで取材に応じた本田圭佑は「本番を見据えてスイス戦でやっておかなければならないことは?」との質問に対して「守備ですね」と即答した。

「もちろん、いろいろなことをやらないといけないんですけど、守備が良ければ、攻撃の特長はしっかり出ると。もちろん逆もしかりなんですけど、このスイス戦に限って言えば、守備でいくつか試したいパターンがあるので。(相手を)ハメることができたパターン、ハメられない場面でのプレス、大きく言えばその2つ」

 その後、「今のような質問に対して全員がそう答えるかは分からないです」と本田は語ったが、その考えはチーム内でしっかりと共有されているようだ。

 ボランチとして主力組でのプレーが続く大島僚太も「奪いにいくことを試す必要があると思います」と言い、負傷から復調しつつある乾貴士も「スイス戦で何をどう試したいか」との質問に対して「チームとしては守備ですね」ときっぱりと言った。

 また、ディフェンスラインの設定について尋ねられた吉田麻也もこう明かした。

「行くときと、引くときのタイミングがあると思います。やってみないと分からないですけど、まずはどんどん行っていいと思う。ハメにいってみてかなと思います」

スイス戦で採用するシステムとスタメンは?

 どうやってボールを奪い、いかに攻撃へとつなげるか――。

 これが、スイス戦におけるチームとしてのテーマのひとつ、というわけだ。

 選手たちの話を聞く限り、非公開の中で試されたのは、2日前の紅白戦でも採用された4−2−3−1だったようだ。

 実はスイスの主戦システムも4−2−3−1。同じシステムをぶつけ、前からしっかりと相手の4バックに圧力を掛けていく。ワールドカップ(W杯)で戦うコロンビア、ポーランドも4−2−3−1を主戦システムにしているだけに、格好のテストになるだろう。

 ちなみに、スイスは4−4−2の中盤ダイヤモンド型をオプションとして備えている。4−2−3−1が試された日本代表の2日前の紅白戦で、2本目だけ、Bチームが4−4−2の中盤ダイヤモンド型だったのは、自分たちのオプションをテストしていたわけではなく、スイスのオプションへの対策だったのかもしれない。

 同じく選手たちの話を総括すると、スイス戦のスタメンは、どうやら2日前の紅白戦の1本目の主力組(=ビブスなし組)になりそうだ。

【スポーツナビ】

 4−2−3−1のシステム、そして、トップ下に本田圭佑――。

 この組み合わせを見ると、ザックジャパンを思い出さずにはいられない。本田が4−2−3−1のトップ下で先発すれば、4年前のW杯ブラジル大会以来となるからだ。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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