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西野ジャパンのベースは「臨機応変」
紅白戦で見えた5つ目のオプション

合宿3日目、初めての4−2−3−1をテスト

大粒の雨が降る中、トレーニングは熱を帯びていく
大粒の雨が降る中、トレーニングは熱を帯びていく【写真は共同】

 見慣れた風景が、少し変わった。ディフェンスラインの中に長谷部誠の姿がないのだ。この2週間、3バックの中央を務めてきた長谷部は、中盤の底にいた。


 ゼーフェルト合宿3日目となる6月4日(現地時間)午後のトレーニング。ウォーミングアップを兼ねてボールを使用したメニューを消化したあと、戦術練習を行うためにピッチに散らばった選手たちが描いたのは、西野朗体制において初めての4−2−3−1だった。


 センターバック(CB)から攻撃を組み立てるこの練習の狙いは、同サイドを素早く攻め切ること。敵役の2人に対し、サイドバック(SB)、CB、ボランチの3人でパスをつなぎながら縦パスを入れるタイミングをうかがう。ハーフスペースに顔を出したサイドハーフに縦パスが入れば、それが「攻撃のスイッチ」だ。そこからスピードアップして鋭いクロスを流し込み、センターフォワードやトップ下がゴール前に飛び込んでいく。


「細かいパスワークとか、1本のパスでアイデアとイメージを持って。同じイメージを共有できれば1本のパスで相手を剥がすことができるし、そんなにパワーを使わずに攻められる。それが理想だと思います」


 そう語るのは、左サイドハーフに入った宇佐美貴史だ。屈強なDFのそろうワールドカップで単純にクロスを放り込んだり、スピード勝負に打って出たところで、チャンスを作るのは難しい。「日本人が世界と戦ううえで、パスワークと人数で崩していくスタイルは切っても切り離せないと思う」と、日本の強みを強調した。


 練習の途中、前日の晴天とは打って変わって、雲で覆われていた空から大粒の雨が降ってきたが、トレーニングは熱を帯びていく。

香川と本田がトップ下のポジションを争うことに?

メニューは11人対11人の紅白戦に移行。「ビブスなし組」が主力だと考えられる
メニューは11人対11人の紅白戦に移行。「ビブスなし組」が主力だと考えられる【写真は共同】

 メニューは11人対11人の紅白戦へと移行。ピッチのサイズはペナルティーエリアからペナルティーエリアまで。「ビブスなし組」と「ビブス着用組」に分かれ、メンバーを入れ替えながら、3セット行われた。


 これまでの流れと選手の顔ぶれを踏まえると、「ビブスなし組」が主力だと考えられる。その「ビブスなし組」で3本ともプレーしたのは、GK川島永嗣、長友佑都、吉田麻也、長谷部誠、原口元気の5人。「ビブスなし組」で2本プレーしたのは、昌子源、酒井高徳、大島僚太、宇佐美貴史、本田圭佑、大迫勇也の6人。この11人が現状、レギュラーに近いのではないか。


 一方、一度も「ビブスなし組」に入らなかったのは、GK東口順昭、GK中村航輔を除けば、植田直通、遠藤航、そして香川真司の3人だけだった。


 この分け方にどんな意味があるのかは、コーチングスタッフにしか分からない。ただ確かなのは、4−2−3−1が採用された場合、香川はトップ下を本田と争うということだ。ザックジャパンでは本田がトップ下、香川は左サイド、アギーレジャパンとハリルジャパンでは香川がトップ下、本田が右サイドだったが、西野ジャパンでは共演ではなく、ひとつのポジションを争うことになりそうなのだ。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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