セは投打で中日勢、パは3人の先発が活躍 新外国人通信簿2018〜開幕2カ月編〜

ベースボール・タイムズ

開幕から快打を連発し、中日打線をけん引するアルモンテ 【写真は共同】

 開幕から2カ月が過ぎ、プロ野球は交流戦真っただ中。その盛り上がりとチームの勝敗に大きな影響を与えているのが新外国人選手たちだ。今季ここまでの彼らの奮闘ぶりを見ていこう。

大暴れのアルモンテ、苦難のロサリオ

 例年以上に混戦模様のセ・リーグ。6月4日現在(以下同)でチームの序列は昨季とほぼ同じだが、異なるのはAクラスとBクラスの差で、2位と6位までが2ゲーム差という状況である。

 この混戦の要因をつくった一人が、アルモンテ(中日)だ。

 昨季メキシカンリーグで打率3割5分5厘、15本塁打の成績を残したドミニカ共和国出身のスイッチヒッター。開幕戦で来日初ヒット、2戦目に初アーチを放ちスタートダッシュを決めると、4月7日の阪神戦から9試合連続安打をマークし、4月終了時で打率3割5分9厘の好発進。さらに5月は25試合中23試合でヒットを放つなど、さらに状態を上げて月間打率3割7分1厘のハイアベレージ。ここまでリーグトップの打率3割5分3厘、チームトップの9本塁打に加えて、得点圏打率4割1分7厘の勝負強さを見せ、リーグ3位タイの38打点。今季最大の“発見”となっている。

 その反面、大きく期待を裏切っているのが、ロサリオ(阪神)だ。

 メジャー通算71本塁打を放ち、韓国リーグ(KBO)では2年連続で打率3割、30本塁打、100打点をクリアした右の大砲。不動の4番としての活躍を見込まれ、新外国人の球団最高年俸(推定3億4000万円)で加入したが、外角低めへの変化球にバットが当たらず打撃低迷。打順変更、フォーム修正、染髪などさまざまな方法で不振脱出を図ったが、効果を出せずに48試合で打率2割3分、4本塁打、22打点。3日、ついに1軍登録を抹消された。

期待以上のガルシア、我慢のソト&ハフ

 キューバ出身の大型左腕、ガルシア(中日)も予想を大きく上回る活躍を見せている。
 4月4日の巨人戦で来日初先発初勝利を飾るなど、4月に3勝0敗、防御率1.37の好スタート。140キロ台後半のストレート、手元で動くツーシームと打者を惑わすチェンジアップを武器に、続く5月も12日の巨人戦で「人生初」の完封勝利をマークするなど3勝1敗、防御率2.00と好調をキープ。交流戦初登板となった6月2日の北海道日本ハム戦では7回途中5失点で負け投手となったが、ここまで10試合(先発9試合)に登板して6勝2敗、防御率2.25の好成績。ローテの柱となっている。

 その他、セ・リーグではソト(横浜DeNA)が5月6日の昇格以降、「2番・ライト」として快音を残し続け、出場16試合目まで打率4割をキープ。しかし、そこから4試合連続ノーヒットに終わりスタメンを外れた。数字としては打率3割1分8厘、4本塁打、10打点と合格点を与えたいが、ここからが正念場になるだろう。

 同じく我慢の時を迎えているのがハフ(東京ヤクルト)。不動の先発ローテとしてここまで9試合に登板して防御率3.86、特に5月は5試合で防御率1.86の安定感を見せたが、打線の援護を欠く試合が多く、白星は5月15日に挙げた1勝(3敗)のみ。どこまで我慢できるかがカギになるだろう。

 また、カラシティー(ヤクルト)は中継ぎで15試合に登板。徐々に調子を上げながら3勝0敗、防御率2.60の好成績。モヤ(中日)もビシエドの代役として存在感を見せ、中継ぎ右腕のモレノ(阪神)もマテオの代役としてしっかりと仕事をこなした。

 その一方で、2軍でアピールしていたフランスア(広島)は、5月26日の中日戦で初登板初先発も4回3失点で黒星デビュー。リリーフ右腕のカンポス(広島)も1試合のみの登板で現在は2軍にいる。そして、2軍で5勝を挙げ、防御率1.57のヤングマン(巨人)は外国人枠の影響で1軍からはまだお呼びが掛かっていない。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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