日本代表、対話重視でW杯初戦へ急ピッチ ゼーフェルトでの合宿が本格スタート

飯尾篤史

今後も3バックと4バックを併用

 ちなみに、ゲーム形式のトレーニングでの両チームのメンバーは以下のとおり(※岡崎慎司と乾貴士はフリーマン)。両チームともガーナ戦で試した3−4−2−1のフォーメーションでプレーしたが、西野監督は「あくまでも今後に向けてのトライ」と、3バックはオプションであるという姿勢を崩さない。

 今後も3バックと4バックを併用し、8日のスイスとの親善試合では相手に合わせて戦うという考えを示唆したことを踏まえれば、たとえば、本大会でコロンビアが3トップで来れば4バックで、2トップで来れば3バックで対応するなど、相手の出方に応じてフォーメーションを変えて戦うことになりそうだ。

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※岡崎慎司と乾貴士はフリーマン

選手、スタッフ間で頻繁に行われる意見交換

ガーナ戦の修正点について、午前中にミーティングを行った選手たち 【写真は共同】

 午前にはミーティングも行われた。テーマはガーナ戦の修正点である。1時間におよぶガーナ戦の分析ビデオを見ながら、指揮官が意見を求めるだけでなく、選手も積極的に発言し、ポジションが近いグループで意見交換も行ったという。

「ブロックを作って相手にやらせない部分はできたんですけれど、前からどうハメていくのか、その部分に関しては課題が残ったので、そこがミーティングで修正できました」

 長友佑都がそう手応えをのぞかせれば、槙野も胸を張る。

「もう少しラインを上げるということと、相手1枚に対して僕たちが3枚で守る時間を増やさないように、僕と(吉田)麻也でできるだけ相手をつかみにいって前に押し出そうという確認をした」

 選手間の活発なディスカッションだけでなく、コーチングスタッフと選手の間でも頻繁に意見交換が行われている。これは、話し合いが禁じられていた前体制から最も大きく変わったことだ。原口元気が力を込めて言う。

「総力戦じゃないですけれど、全員が知恵を出し合ったり、全員が意見をぶつけることによって、良いものを作れるんじゃないかというのを少しずつ感じている」

 4日の練習は急きょ2部練習に変更され、午後には実戦に近いトレーニングが行われる予定だ。6月19日のコロンビアとの初戦に向けてチームは対話重視で、歩みのスピードを速めている。

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著者プロフィール

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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