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日本代表、対話重視でW杯初戦へ急ピッチ
ゼーフェルトでの合宿が本格スタート

リラックスする場として申し分のない環境

日本代表が合宿を行っているゼーフェルトは緑に囲まれ、遠くにアルプスが見える絶景だ
日本代表が合宿を行っているゼーフェルトは緑に囲まれ、遠くにアルプスが見える絶景だ【写真は共同】

 恵まれた環境に、キャプテンの長谷部誠は思わず表情を緩ませた。


「最高だと思いますね。移動、食事、ピッチ、ホテル、すべて最高の環境を整えてもらったので、今日みたいに天気が良ければさらにいいですし、こういう素晴らしい環境でやれるので、最高の準備をしないといけないと思います」


 アルプスに囲まれた人気観光地であるオーストリアのゼーフェルト。1964年と76年のインスブルック冬季五輪のジャンプ競技などの会場としても知られる標高1180メートルのリゾート地で日本代表は6月3日(現地時間、以下同)、ワールドカップ(W杯)ロシア大会に向けて事前合宿をスタートさせた。


 緑に囲まれ、遠くにアルプスを望む絶景、身体を動かすのに最適な気候、澄んだ空気、整備されたピッチ……。それだけではない。宿舎にはプール、スパ、ビリヤード台、卓球台、カフェが備わっていて、リラックスする場として申し分のない環境だ。「さっそく昨日着いて、みんなやっていましたね。僕はビリヤードをやりました」と槙野智章は明かした。


 当地に到着した前日は雨の中、30分ほどランニングを実施。本格的なスタートとなったこの日は、有酸素系のフィジカルトレーニングと、狭いコートでコンタクトのないゲーム形式で選手たちは汗を流した。


 早川直樹コンディショニングコーチの指示によってフィジカルトレーニングを進め、手倉森誠コーチによる指導でボールを使ったメニューを進める。その都度、森保一コーチが選手にアドバイスを送る様子は、国内合宿と変わらない。


「ちょっと標高が高くて、まだ身体が慣れていないところがあるので、今日も走っていて息切れしたり、脈が早くなったりするところもある」


 そう語ったのは香川真司である。だが、高地トレーニングによって心肺機能が高まれば、平地でプレーする際、身体が軽く感じられるようになる――そこに、ゼーフェルトを事前合宿の地として選んだ理由がある。

サッカー少年のようにはしゃぎ、楽しむ

合宿地に着いた翌日から、選手たちはゲーム形式の練習で汗を流した
合宿地に着いた翌日から、選手たちはゲーム形式の練習で汗を流した【写真は共同】

 6対2、6対2、5対2の3グループによるロンド(パス回し)では、とにかく選手たちがサッカー少年のようにはしゃぎ、楽しんでいるのが印象的だった。チームの雰囲気は間違いなく良好だ。決戦まであと2週間なのに、こんなに明るくていいのだろうかと、こちらが心配になるほどに。けがのため、国内合宿でボールを使うトレーニングを回避していた乾貴士も楽しそうにプレーしていた。


 攻撃の狙いの一端が垣間見られたのは、センターラインからペナルティーエリアまでの狭いコートで行われた10人対10人+フリーマン2人のゲーム形式のトレーニングだった。


 ゴールはペナルティーエリアの両脇、計4カ所に設置され、人数の薄い逆サイドに展開してゴールが生まれると、手倉森コーチから「そうだ! いいぞ!」との声が飛ぶ。そこには、同サイドでつなぐことが多く、つぶされてボールを失うことがあったガーナ戦の反省も見て取れた。ボランチに入った大島が丁寧に説明する。


「ゴールがサイドにあったので、同サイドで行くのか、逆サイドに変えるのか。タッチ数の制限もありましたし、中盤では人数も多かったので、ワンタッチ、ツータッチでマークのスライドを遅れさせるとか、逆に守備のときは遅れないようにするとか、そういった狙いがあったと思います」


 ガーナ戦で西野朗監督から「キープレーヤーだった」と言われた大島は、この日の練習中にも指揮官から、同サイドで行けそうなときと、サイドを変えられるときとの使い分けについて声を掛けられたことを明かした。

飯尾篤史
飯尾篤史

東京都生まれ。明治大学を卒業後、編集プロダクションを経て、日本スポーツ企画出版社に入社し、「週刊サッカーダイジェスト」編集部に配属。2012年からフリーランスに転身し、国内外のサッカーシーンを取材する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成として岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(KKベストセラーズ)などがある。

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