むしろ狙い目?初距離が嫌われるスワーヴ 好メンバー集結、安田記念の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

まだまだ控える チャンスありの馬たち

デスク「複数出しと言えば、3頭出しの矢作厩舎。中でも実績で大将格と思えるリアルスティールには、意外にも◎がひとつも付いてないんだな」

細川「これまで唯一のマイルでの出走である昨年のこのレースで11着に敗れている点と、当時と同じドバイ遠征帰りの臨戦が嫌われているのかもしれませんが、師いわく“先週が80%、追い切りが85〜90%、そして当日までにどれだけ上げられるか”という感触はけっして悪いものではなかったですよ。東京マイルという舞台自体も合っているとの認識でしたし、海外でGIを制した実力を侮ってはいけませんね」

馬場「僕はむしろ人気では3番手となりそうなモズアスコットを狙ってみたいですね。2走前のマイラーズCは、レコードの出た流れを先行してゴール寸前まで先頭と、一番強いパフォーマンスでしたし、少なくとも勝ち馬と同等以上の評価をすべきかと思います。連闘となりますが、前走はそれを想定した仕上げだったと思えますし、大丈夫だと見ます」

小桧山「前走でルメールが乗った藤沢和厩舎勢のムーンクエイクやタワーオブロンドンが使ってきたとしても、モズアスコットの騎乗が1番手だったらしいな。それを考えても、矢作厩舎勢の1番手はこの馬だろう」

細川「ルメール騎手は初めて乗った昨年の秋から、かなり気に入っていたようです。連闘が人気の盲点になるのなら、馬券的に注目する手もありますね」

田崎「ただ、モズアスコットは本質的に1400mがベストじゃないかと。直線の長い東京で、加えての連闘ではどうかな、という気もしますね」

瀬古レッドファルクスは、昨年がスムーズに外へ出せていれば、と思わせる内容での3着で、近走や年齢が嫌われているのかもしれませんが、力が衰えているようには思えませんし、人気落ちでも絶好の狙い目と見ますね」

板子「スプリンターズS以降は、コース取りの差だったり、先行勢に有利な馬場で届かずなど、消化不良の競馬が続いているだけですし、僕も能力的な衰えは全くないと思いますよ」

坂倉「前走の高松宮記念については、陣営も“勝ち負けするには難しい位置取りになってしまったことに加えて、馬群を捌くのに手間取ってしまった”と振り返ってましたが、直線でいわゆる“カニ歩き”しながら最速の上がりを使っていたことを思えば、力は示していますよ。加えて、デムーロ騎手も“らしくない”雑な乗り方でしたよね。ただ、年齢的なものか行きっぷりが悪くなっている感も受けるので、今ならマイルの方が合うかもしれません」

デスク「昨年は間に京王杯SCを挟んでの臨戦だったけど、今年は高松宮記念からのぶっつけ。そのあたりの影響はないのか?」

坂倉「今年のレッドファルクスは、阪急杯から始動したので、春から3戦目という点では昨年と一緒なんですよ。尾関師も“先週、今週と追い切りではスムーズに手前も替えて納得の動き。時計以上の負荷もかかっているし、いい仕上りで臨めそう”と、満足そうな表情でした。速い時計にも対応できる馬ですし、ある程度の流れになれば昨年以上の着順が期待できますね」

持木「僕は、ヒーズインラブで大穴狙いと行きます。前走のダービー卿CTは、直線で狭いところに入ってしまいましたが、前が開くと一気に脚を使って差し切る強い競馬。マイル戦にこだわって使ってきたことと、その高い適性はここに入っても何ら見劣らないと思いますよ」

守屋「その勝ち時計の1分32秒2は、3年前のモーリスがレースレコードで勝ったのと同じもの。当時のモーリスもそれが重賞初勝利で、そこから一気にマイル王へと登り詰めましたが、500キロ超の馬体も含めてどことなく姿がダブります。脚さえキッチリ溜まれば確実に伸びてきますし、発馬さえ決めれば好位から中団で競馬ができ、ある程度の自在性があるのも、ほかの有力馬との比較で有利に動きそうです。強いて挙げれば、先週のダービーで期待を裏切った“馬主シルク×ハービンジャー産駒”というのが、気掛かりですが……」

小島「あと、可能性アリ、というレベルで挙げておきたいのはキャンベルジュニアですね。前走は“とにかくデキがいい。良馬場でやれれば面白い”という陣営の言葉通りの勝ちに等しい内容でしたし、さすがに前走からの上積みはありませんが、好調はキープしており“今のデキならこの相手でも何とかならないか”と、厩舎サイドは満更でもない様子でしたよ。南半球産の遅生まれですから、6歳になってもまだ上昇の余地は残していますし、僕は無印ですが、馬券のヒモとしては押さえる手もありかと」

デスク「あとは、今年は用がなさそうな香港馬か」

久光「何をおっしゃいますか。月曜に白井の競馬学校で動きを間近に確認したウエスタンエクスプレスですが、少し頭が高いのが気になった程度で、カギとなる左回りの周回も、走りのスピード感も良かったですよ。東京競馬場での追い切りの動きも良く、馬体もうっすら肋骨が浮く感じで、ハリがありましたね。GI勝ちこそないとはいえ、香港でもトップ戦線で健闘していますし、持ち時計もあります。加えて、先行馬が少ないメンバーで戦いやすい状況と思えるので、押さえて損はないですよ」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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