熱を帯びる「Numberプロレス総選挙」 ファンの“フェアネス”が企画の鍵!
ファンの熱量が結果に反映された
「投票の際は、みなさんコメントも付けてくれるのですが、非常に熱い投票が多かったです。ですからファンの方のそれぞれの思いが投票に反映されていたかなと思います」(薦田さん)
その年のプロレス大賞MVPが表紙を飾り、ファンの熱が高い団体の選手が上位に食い込む。
「内藤選手もこの投票で1位になったことを喜んでくれました。やはり内藤選手が今、日本で一番お客さんを熱くできるレスラーなんだと証明することになりました。あとはイケメン二郎選手が入ったり、葛西純選手(大日本プロレス)、HARASHIMA選手(DDT)といった選手がトップ10に入ったり、もしかしたら自分の支持する団体のトップの選手をランクインさせたいという組織票はあったかもしれませんが、それも選挙ですので」(松井編集長)
SNSによる選手の“選挙活動”も票に反映!?
「正直、昨年はテレビの総選挙もあり、それの受け皿として3万5000人を超える投票があったと思っていました。当初は昨年より投票数が少なくなるのではと思っていましたが、ふたを開けてみたら昨年よりも熱い票が入りました。むしろ“プロレス熱”はより高まっていると感じています」(薦田さん)
2回目ということもあり、選手自身がSNSで投票を呼びかける機会も増え、認知度は上昇。ファンがほかのファンに呼びかけるなど、相乗効果も生み出しているようだ。
「おかげさまで前回にも増して、レスラーの方に注目していただき、積極的に投票を呼びかけていただいています。それがダイレクトに票に反映されていますね。棚橋選手が中間速報で内藤選手をもう少しで抜けそうだという結果が出た時に自身への投票を呼びかけたら、そのことにファンが反応しています。内藤選手も言っていましたが、『試合だけがプロレスではなく、すべてを含めてファンを盛り上げることがプロレス』ということで、本当にそのようになってきていると思います」
さらに今回はメジャー団体だけでなく、地方のプロレス団体のファンも地元のレスラーを投票している。なかでも新根室プロレスのアンドレザ・ジャイアントパンダは上位に食い込んでいる。(最終中間発表の時点で19位)
ファンの熱意がそのまま結果として現れるNumberプロレス総選挙だが、このまま人気が続いていくのであれば、毎年開催の定番企画にしたいと松井編集長は話す。
「私たちとしてはこれだけファンの方にご支持いただいているので、東スポさんには大変おこがましいのですが、冬の東スポプロレス大賞、夏のナンバープロレス総選挙と定着してていけばありがたいなと思っています。またこれは妄想レベルですが、この選挙の結果が今のプロレス界の“オールスター”に近いと思いますので、上位選手による『プロレス・オールスター戦』などが開催されたらいいなと勝手に思っています」
投票締め切りが近づき、いよいよラストスパート。最終中間発表では棚橋と内藤のトップ争いが一騎打ちの様相を呈しているが、「まだまだ底が見えない」プロレスファンの熱で、まさかの大逆転もあるかもしれない。その結果により、1位の選手は表紙を飾り、トップ10の選手は必ず特集内で記事として取り上げられることになる。
「記事の内容や表紙の撮影方法に関しては私たちに委ねられることになります。実際、6万人近い方から投票してもらえたということで、私たちとしても皆さんに満足していただける記事を作らなければという責任があります。そこは編集部として全力を尽くしたいと思っています」(松井編集長)
果たして、2018年現役最高のレスラーに輝くのは誰か!? 7月10日発売予定のNumber PLUS「プロレス2018(仮)」に注目だ。
(取材・文:尾柴広紀/スポーツナビ)