[連載小説]アイム・ブルー(I’m BLUE) 第9話 W杯メンバー発表、ノイマンの決断

木崎f伸也
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木崎f伸也、初のフィクション小説。
イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。

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【(C)ツジトモ】

 日本代表のW杯メンバーの発表日、ユベンテスの上原丈一は青森県の南八甲田山にある温泉に逗留(とうりゅう)していた。

 温泉業界では「湯は湧いた瞬間から老いていく」と言われている。湯は空気に触れれば触れるほど、効能が落ちるという意味だ。その点、南八甲田山の温泉は源泉の真上に湯船があり、空気に触れる前の「生の湯」に浸かることができる。湯として最高の鮮度を味わえるということだ。丈一はリーグ終了後、イタリアから帰国すると1人で駆けつけ、すでに1週間滞在していた。

 1990年のW杯で優勝した西ドイツ代表のユルゲン・クリンズマンは、自らがドイツ代表監督になったときにこう語った。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載開始

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