【新日本プロレス】オカダが棚橋を退け前人未到V12達成 次期挑戦者にオメガ逆指名で大阪決戦へ
オカダがIWGPヘビー級王座史上最多となる12度目の防衛に成功した 【写真:SHUHEI YOKOTA】
メインイベントのIWGPヘビー級選手権試合では、“レインメーカー”オカダ・カズチカが棚橋弘至の挑戦を退け、史上最多新記録となる12回連続防衛を達成。試合後はV13戦の相手にケニー・オメガを指名し、6.9大阪城ホール大会で、史上初となる時間無制限三本勝負で争われることが決定した。
IWGP戦ではオカダが勝ち越していた
V12を阻止された棚橋が、今度はオカダの記録を阻止せんと挑んだ 【写真:SHUHEI YOKOTA】
華々しく頂点で輝き続けるオカダに対し、かつて「太陽のエース」と呼ばれた男は、ドン底を味わっていた。16年1.4東京ドームでオカダに敗れ、ドームのメインでの連勝記録が5で途絶えると、5月には左肩を負傷し長期欠場。17年の1.4ドームでは、セミで内藤のIWGPインターコンチネンタル王座に挑むも敗北。5月に右腕を負傷しながら、6.11大阪で内藤からベルトを奪い返すも、12月に右ヒザを負傷。今年の1.27札幌では、鈴木みのるに古傷の右ヒザを攻められ、ベルトを失った上に長期欠場に追い込まれていた。
過去の両者の戦績は4勝4敗2分の五分。だが、IWGP戦においては、オカダが4勝3敗と勝ち越している。4.1両国国技館大会でオカダがV11達成後、棚橋は「世界中探しても、次の挑戦者、オレしかいねぇじゃん。今度は逆だ。おまえの防衛記録、オレが止めてやる」と6年前のリベンジを果たすべく、名乗りを上げたが、これに対しオカダは「棚橋さん、あなた、何やってたんですか。ケガして、復帰して、ケガして、復帰して、チャンピオンでなくなって、NEW JAPAN CUP準優勝して。つまんねぇ男だな。あなたは、もう棚橋さんじゃない。おまえは、棚橋だ」と、エースの座から転げ落ちた男を玉座の上から見下していた。
棚橋が意地を見せるもレインメーカーに散る
粘る棚橋を、オカダは電光石火のレインメーカーでしとめた 【写真:SHUHEI YOKOTA】
30分過ぎ、オカダがジャーマンスープレックス、棚橋がドラゴンスープレックスを繰り出すと、棚橋はスリングブレイドからのハイフライアタックを狙うが、オカダがドロップキックで迎撃。ならばと棚橋はまたも掟破りとなるレインメーカーを発射するも、オカダはカウント1。なおも張り手を連発する棚橋に対し、オカダはタイツをつかんで自分の元に引き寄せると、電光石火のレインメーカーでフィニッシュ。かつて、自分が阻止した「V12」という記録を、自らの力で達成してみせた。
オメガ戦は時間無制限三本勝負に
オカダは次期挑戦者にオメガを指名。さらに試合形式を時間無制限三本勝負にしようと提案した 【写真:SHUHEI YOKOTA】
オカダとオメガは昨年1.4東京ドームでIWGP王座を賭けて対戦し、46分45秒、レインメーカーでオカダが勝利。6.11大阪城では60分時間切れに終わるも、8.12両国国技館での「G1 CLIMAX」公式戦では24分40秒、片翼の天使でオメガが勝利しており、昨年の戦績は1勝1敗1分の五分となっている。
過去には新日本マットでも「60分三本勝負」や「61分三本勝負」でタイトルが争われたことがあったが、IWGPヘビー級史上において「時間無制限三本勝負」は史上初。オカダは「大阪城の続きで、あの時観てくれていたお客さんにエンディングを見せたかった。過去にあろうがなかろうが、素晴らしい試合を見せて、V13の最強のチャンピオンを大阪城ホールで見せてやりたい」と意気込みを語ったが、かつてない壮絶な試合となることは必至。時間無制限といえば、1987年10月4日に山口県・巌流島で行われたアントニオ猪木vs.マサ斎藤が、2時間5分14秒の死闘を繰り広げ、プロレス史に今なお鮮烈に刻み込まれているが、新たな記録を作ったオカダが、最高の好敵手相手に、またしても歴史を塗り替えていくか。
一方、オカダに敗れ、6年前の悪夢を払拭できなかった棚橋は、バックステージで「派手に負けちまったけど、オレはあきらめてないから。もっと強くなるから。過去の自分を超えるから」と号泣。3.16後楽園では「もう一度、新日本プロレスの頂点に立ちたい。いや、絶対に立つ!」と宣言したように、再びドン底から這い上がり、太陽のエースとして光を取り戻す時が来るのか。