「左腕」と「社会人」野手が奮闘 開幕1カ月のルーキー通信簿

ベースボール・タイムズ

オリックスのドラフト1位ルーキー田嶋はここまで2勝。評判どおりの活躍を見せている 【写真は共同】

 開幕から約1カ月が経過した。セ・パともに上位と下位で早くも明暗が分かれているが、その中でプロ1年目のルーキーたちも期待通りの、あるいは予想外の働きを見せている。昨秋のドラフトで指名された計114名(育成32名含む)の中で、早くも戦力となっている者は誰か。2018年ルーキーたちの“1カ月”を評価したい。

先発で存在感を示す2人の左腕

 新人一番乗りの白星は挙げたのは、昨秋のドラフトで2球団が1位指名で競合した田嶋大樹(JR東日本→オリックス)だった。キャンプ、オープン戦から前評判通りの実力を示すと、開幕2戦目の3月31日の福岡ソフトバンク戦に先発し、5回を1安打1失点に抑えてプロ初登板初先発で初勝利をマーク。続く4月7日の埼玉西武戦では4回にレオ打線に捕まって3回1/3を8安打6失点で洗礼を浴びたが、同19日の千葉ロッテ戦では課題をしっかりと修正し、涌井秀章と投げ合いながら7回を2安打無失点に抑えて2勝目をマーク。ここまで3試合で2勝1敗、防御率4.11の成績を残している。

 その田嶋と同じく2勝を挙げているのが、同じくドラフト1位入団の東克樹(立命館大→横浜DeNA)だ。プロ初登板初先発となった4月5日の阪神戦では味方の援護を欠いて黒星を喫したが、続く同12日の巨人戦で6回途中まで3失点に抑えてプロ初勝利を挙げると、続く同19日の巨人戦では8回途中無失点の好投で2勝目。同26日の広島戦では8回3失点で勝敗付かずも、ここまで4試合に登板してチームトップ(リーグ4位)の防御率2.28の安定感を誇示。何より、12球団トップとなる奪三振率10.73が評価を高める要因になっている。

豪腕がセットアッパーの地位確立

150キロの剛球を武器に9試合に登板して防御率0.00の活躍を見せる中日ドラフト1位の鈴木博 【写真は共同】

 新人ながら早くもセットアッパーの地位を確立させたのが、ドラフト1位右腕の鈴木博志(ヤマハ→中日)だ。開幕3戦目の4月1日の広島戦でプロデビューして打者3人から2三振を奪うと、続く同4日の巨人戦では3点リードの8回に3番手としてマウンドに上って圧巻の3者連続三振で初ホールドをマーク。その後も150キロを超える威力抜群のストレートを武器に“8回の男”としてマウンドに上り、ここまで9試合に登板して防御率0.00。計9回1/3を被安打4(被打率1割2分9厘)、10奪三振(奪三振率9.64)、与四球1という文句のつけようのないピッチングを続けている。

 もう一人、ドラフト2位で入団した高橋遥人(亜細亜大→阪神)も忘れてはならない。4月11日の広島戦で7回2安打無失点の好投でプロ初登板初先発初勝利。140キロ台後半のストレートをリズム良く投げ込み、二塁も踏ませない鮮烈デビューを飾ってみせた。ただ、2度目の登板となった同22日の巨人戦では、先発して5回途中9安打7失点(自責6)でKOされただけに、次回登板が大きなポイントになるだろう。

 その他、投手陣では前述の4人に加えて、西村天裕(NTT東日本→北海道日本ハム)、高橋礼(専修大→ソフトバンク)、伊藤翔(四国IL徳島→西武)、沼田拓巳(BCリーグ石川→東京ヤクルト)の計8人が4月26日までに1軍デビューを飾っている。

1/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント