天皇賞・春の好走条件データを総まとめ 注目すべきは内枠とトニービンの血

JRA-VANデータラボ

今年はシュヴァルグランが主役に

 皐月賞のあと1週空いた春のG1シリーズは、今週末の天皇賞・春から再開する。16年、17年と連覇したキタサンブラックがターフを去り、今年はジャパンC勝ち馬のシュヴァルグランが主役になりそうだ。一昨年は3着、昨年は2着に惜敗した伝統の一戦を、今年こそ勝つことはできるのか。もちろん、他馬の陣営も虎視眈々と狙っていることだろう。そんなレースの傾向を、過去10年の結果から読み解いてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

人気別成績

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は人気別成績。気になるのが1番人気の不振で、昨年キタサンブラックが制すまで10連敗を喫していた。昨年で悪い流れは止まったが、それでも過去10年で馬券圏内を確保したのは2頭のみ。前向きになれるデータでないことは確かだ。ただし、2番人気は4勝して複勝率70.0%、3番人気は複勝率60.0%、4番人気も複勝率40.0%と、2〜4番人気はしっかり走っている。1番人気は不振ながら、一概に人気馬がダメというわけではないので、その点は誤解しないようにしたい。また、10番人気以下も2勝を含む計6回の好走を果たしており、人気薄の激走にも注意が必要だ。

枠番別成績

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は枠番別成績。端的にいって、現在の天皇賞・春は内枠が圧倒的に強い。過去10年で1枠が5勝を挙げ、複勝率36.8%も群を抜いた数字。2枠も複勝率26.3%、複勝回収率267%と好調だ。実は、過去10年で10番人気以下から激走した6頭は、すべて1〜3枠のスタートだった。この事実ひとつをとっても内枠有利は明らかなので、今年も内枠に入った馬を侮らないように心がけたい。

前走レース別成績(日本馬のみ)

表3 ※好走例のあるレースのみ掲載 ※大阪杯・G1は、16年まで産経大阪杯・G2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は前走レース別成績。なお、大阪杯は16年までのG2時代も合算している。そして、ここ10年はその大阪杯組が好調。出走例は少ないが、京都記念組も連対率40.0%と出てきたら見逃せない。また、距離に注目すると面白いことが見えてくる。前走は中距離戦の大阪杯(2000m)と京都記念(2200m)の好走率が高く、長距離戦の日経賞(2500m)、阪神大賞典(3000m)、ダイヤモンドS(3400m)は数字が落ちる傾向にあるのだ。近年の天皇賞・春は速い時計の決着が続いている。そのため、ゆったりとした流れになる長距離戦より、よりペースが速い中距離戦のほうが予行練習に適しているのかもしれない。

過去1年・芝2000m重賞1〜3着経験の有無

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 関連したデータをもうひとつ。表4は「過去1年に芝2000m重賞で1〜3着に入った経験がある馬、ない馬」の成績を比較したもの。一見、3200mの天皇賞・春とは無関係の距離にも思えるが、実際には「経験あり」の馬のほうが遥かに高い好走率を残している。前項で述べた通り、近年の天皇賞・春は高速化が顕著。2000m重賞でも好勝負できるぐらいのスピードを持つ馬のほうが走りやすくなっているようだ。

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