砂の名種牡馬サウスヴィグラスを追悼 馬券になるレース条件を総まとめ

JRA-VANデータラボ

地方で4度首位、中央でも産駒が活躍

 現役時代のサウスヴィグラスが制したG1は、引退レースとなった2003年JBCスプリントの1勝のみ。しかし、種牡馬としては地方競馬のリーディングサイアーに4度輝くなど大きな成功を収め、もちろん中央競馬でも産駒が活躍している。今回はそんな名種牡馬のこれまでをデータから振り返ってみたい。集計期間は、産駒が初めて中央競馬で走った2007年6月23日から今年4月15日まで。なお、この集計期間における平地競走の勝利数が、芝17勝に対してダート420勝と大きく偏っているため、ここではダート戦のみを集計の対象とする。データの分析には、JRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

年別成績(ダートのみ)

表1 ※2018年は4月15日まで 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は年別成績。初年度産駒がデビューした07年こそ低調な数字にとどまったが、翌08年には単勝回収率364%、複勝回収率156%という驚きの数字を記録している。また、08年から13年までの6年間、11年を除くすべての年で100%以上の単勝回収率を残したのもすごい。14年以降に回収率を若干落としたのは、サウスヴィグラスの種牡馬としての実力が知れ渡ったためだろう。それでも回収率は、基準となる80%をほぼ毎年超えている。産駒の成績だけでなく、得意とするダート戦では馬券的な意味でも優秀な種牡馬であることは一目瞭然だ。

牡牝・年齢別成績(ダートのみ)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表2は牡牝別と年齢別の成績を示したもので、セン馬は牡馬に含めている。まず、牡牝の成績がほぼ互角というのは特筆事項のひとつ。パワーを要求されるダート戦では牡馬のほうが有利な面もあるが、牝馬でも十分に走れるというのは生産者にとってありがたいことだろう。年齢別のデータを見ると、2歳からしっかり走り、ピークを迎えるのは4歳。5歳以降は徐々に好走率が落ちており、これは標準的な傾向といってよさそうだ。

競馬場別成績(ダートのみ)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表3は競馬場別成績。大半の競馬場で優秀な数字が出ており、なかでも札幌と函館は好走率、回収率ともに文句なし。北海道シリーズのダート戦では積極的に狙っていきたい。阪神は単勝回収率215%と非常に高いのが特徴。東京はやや好走率が落ちるものの、単勝回収率93%と水準を上回っており、人気薄でも侮れない。逆に、新潟は好走率のわりに回収率が低めで、上位人気を中心に狙っていきたい。

距離別成績(ダートのみ)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は距離別成績。もっとも安定して走っているのは1000mで、回収率も優秀。もちろん、ダート戦で多く組まれる1200mや1400mでもしっかりと走っており、回収率も高い。1600mは好走率が若干落ちるものの回収率は高く、穴で注意。1700m以上になると距離が長く、やや数字が落ちる。特に1900m以上は苦戦必至といえそうだ。

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