ビーチバレー越川優と西村晃一がペア結成 東京五輪を目指す2人が思いを語る

勝って初めて感動を呼ぶことができる

高さがある世界のブロッカーを相手に「自分が攻撃する時には常に動き回りたい」と西村(左) 【FIVB】

──いよいよシーズンが幕開けします。このペアのコンセプトと目標を最後に聞かせてください。

越川 2人とも世界では決して高さがあるとはいえない中で、勝つために何をしないといけないか。最近は晃一さんがほしいセットが分かってきたので、どんな状況でもそのセットを上げられる技術を身に付けなければならない。今は(自分を)生かしてもらっているけれど、最終的にはオフェンスもディフェンスも、僕が晃一さんの良さを生かせるペアにならないといけないと考えています。

西村 世界のブロッカーは高いですからね。自分が攻撃する時には、常に動き回りたい。平行攻撃だったり、後ろに回るコンビネーションだったり、機動力のある攻撃を仕掛けて、相手のディフェンスを迷わせていくことがカギを握ると思います。あと越川は、ブロックのセンスがすごくいい。

越川 自分では、全然分からないです(笑)。

西村 一度ブロックに跳んだ後、その後もう一回反応できる瞬発力がある。あとはもう少し高さが出てくれば、ね。肩の軸がしっかりしているから、当たったら必ず止まる。「ミリオンダラーショルダー」はブロックにも生かせる。相手が嫌がるブロッカーになれると思いますよ。

越川は「バレーボールのトップから転向した自分たちだからこそ、結果を残していきたい」と抱負を語る 【写真:依田裕章】

──4月28日、29日に開催される「JVAカップ兼アジア競技大会 代表チーム選考大会」で勝利すれば、今年8月にインドネシアで開催されるアジア競技大会の代表チームとしての推薦が決まります。決定すれば、西村選手は45歳で日の丸を背負うことになります。14年のアジアビーチゲームズ以来ですね。

西村 自分自身は、日本代表という肩書きに今はあまり興味がないんですよ(笑)。バレーボール時代は日本代表に入ることを目標にしていたから、その時はうれしかったですけれどね。今はバレーもビーチも日本代表を経験して、日の丸を背負えることがうれしいのではなく、日の丸を背負って世界で勝つことが目標です。自分たちはプロチームとして遠征費もすべて自分たちで捻出していますし、スポンサーさんに応援していただいて、世界を目指せることに日々感謝しています。

越川 僕も同じ考えです。五輪に出るだけだったら、すでにそれは北京五輪で経験している。でも、そのときはただ、選手団のスーツやユニホームをもらって開会式に出ただけでした。出るのが目標ではない。五輪で勝つために、五輪での結果がほしいからやっているんです。

西村 そうだね。大きな舞台で世界のチームに勝って、初めて人々の感動を呼ぶのだと思う。もっと言えば、そこで勝って初めてビーチバレーボールの面白さを知ってもらえるのだと思うし、バレーボール界全体の改革ができるような気がする。

越川 バレーボールのトップから転向した自分たちだからこそ、結果を残していきたいですね。

西村 プレッシャーにも強いし、「ここぞ」という時に力を発揮できるパートナーの言葉は心強い(笑)。自分も、絶対に夢はかなうと本気で思って、現役を続けてきました。中学生、春の高校バレー、Vリーグも期限が決まっている大会は必ず目標をかなえてきました。東京五輪までの2年半。「そのあとは何もない」と自分で期限を決めて、最高のパートナーとともに戦い抜こうと思っています。

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著者プロフィール

ビーチバレースタイル/2009年4月創刊。国内トップ選手の情報、大会レポート、技術指導、トレーニング論など、ビーチバレーを「見る」「やる」両方の視点から、役立つ情報が満載。雑誌のほかに、ビーチバレースタイルオンラインとして、WEBサイトでも大会速報、大会レポートなど、ビーチバレーに関する報道を行っている。

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