ビーチバレー越川優と西村晃一がペア結成 東京五輪を目指す2人が思いを語る

越川(左)と西村、バレーとビーチという2つの舞台でトップとして活躍を続ける新ペアが目指すものは? 【写真:依田裕章】

 ビーチバレーボールの国内トップツアー「ジャパンビーチバレーボールツアー2018第1戦沖縄大会」が4月14、15日に沖縄県中頭郡西原町の西原マリンパークで開幕する。ワールドツアー東京大会、アジア競技大会が開催される今季、最も注目を集めているペアは、西村晃一(WINDS)・越川優(横浜メディカルグループ)組だ。

 昨季、鮮烈なデビューを飾った越川と今年45歳を迎える西村は、今年2月に新ペアを結成した。共にバレーとビーチという2つの舞台で、トップとして活躍を続ける新ペアが目指すものとは(取材日:2018年4月5日、場所:東京カルチャーカルチャー)。

メダリストのコーチが認める「1億円の肩」

西村は越川について「これからどんどん成長していく」と語る 【写真:依田裕章】

──ペアを組むことになった経緯、お互いの印象は?

西村 僕たち、実は誕生日(6月30日)が一緒なんです。これは運命だって(笑)。

越川 僕は前から知っていましたけれど、晃一さんは最近ですよね?(笑)。僕が高校生の時、晃一さん、朝日さん(健太郎・現参議院議員)がバレーボールの代表として活躍していて、僕がVリーグに入った年にお2人がビーチに転向された。実際に対戦したことはなく、入れ替わりでしたね。面識はありましたが、初めて晃一さんと一緒に何かしたのは3年前くらいです。広島で行われたビーチのイベントに誘ってもらったのが最初ですね。

西村 あの時、越川がいずれビーチに転向するかな、と思ったんだよね。

越川 実際にあの時からビーチに興味を持ちましたからね。晃一さんとペアを組むことになってからの1カ月はロサンゼルス(米国)で合宿をしました。ゲームをしながら、ゲームメークについてアドバイスをくれるので、勉強になります。僕から学びにいくのではなく、自然と学んでいくことができるので、自分のプレーにも集中できる。自分を成長させてくれるパートナーですね。

西村 ロス合宿では五輪で金メダルを3度獲得したケリー・ウォルシュ・ジェニングスのコーチ(マルシオ・シーコリ)がついてくれていたのですが、 彼は越川のサーブとスパイクを見て、「ミリオンダラーショルダー(1億円の肩)だ」と言うんですよ。

越川 ゲーム中にショット(軟打)を打つと怒られました(笑)。

西村 そんな「宝」を持っている選手はそういないから、「お前がうまく使っていけよ」と、僕がコーチに怒られる(笑)。それほどのポテンシャルを持っているということです。よくバレーボールとビーチバレーボールは違うスポーツと思われがちですが、基本的には同じバレーボール。バレーボールで世界の舞台で戦ってきた選手は、やっぱりビーチでも上にいく力を持っている。越川は、これからどんどん成長していくと思いますよ。

ビーチのイメージを変えるために

ビーチとバレーの関係について、「世界では両方を経験するのがスタンダード」と越川は話す 【写真:依田裕章】

──世間では、バレーボールでの活動を終えた選手がビーチに転向する、という印象を持たれていると思います。両方を経験したお2人はどのように考えていますか?

西村 それは日本だけの問題であって、日本はバレーボールがメジャーでファンも多い。それはそれでいいことですよね。ビーチに関しては、ただ知っている人が少ないだけ。両方を経験してきた僕たちが、ビーチのことを広めていかないといけない。それは、自分たちが強くなることで知ってもらうのが、一番分かりやすいと思います。

越川 確かにビーチに転向した選手は、バレーボールでピークを終えた選手、Vリーグに入れなかった選手というイメージがあるのは致し方ないですね。だけど、それは僕たちが東京五輪で結果を残した時、決してそうではないことが分かってもらえると思います。

──世界では、バレーとビーチの関係性はどうなっていますか?

西村 五輪で3度の金メダルを獲得している米国は、バレーボールの代表選手がビーチに転向するのは特別なことではないですね。最近では男子の(リード・)プリディ(米国代表として北京五輪、リオ五輪でメダル獲得)が転向しましたが、ビーチの層も厚いのですぐには勝てない。

越川 今パナソニックでプレーしている(ポーランド代表のミハウ・ヤロスワフ・)クビアクもジュニア時代にビーチでプレーしていたし、(元イタリア代表のイバン・)ザイツェフもビーチの大会に出場していた経験がある。世界では両方経験するのがスタンダードです。米国とブラジルは、バレーボールかビーチか選べる環境があって、どちらも強いですから。

西村 それが世界の現状です。日本は「バレーボール」「ビーチ」と交わらずにくっきりと分かれてしまっている。今後、日本全体の強化を考えると、両方を経験して選択できる環境を目指すべきだと思います。

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著者プロフィール

ビーチバレースタイル/2009年4月創刊。国内トップ選手の情報、大会レポート、技術指導、トレーニング論など、ビーチバレーを「見る」「やる」両方の視点から、役立つ情報が満載。雑誌のほかに、ビーチバレースタイルオンラインとして、WEBサイトでも大会速報、大会レポートなど、ビーチバレーに関する報道を行っている。

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