“山田哲人2世”が飛躍のとき ヤクルト廣岡大志「毎日が勉強」

週刊ベースボールONLINE

“山田哲人2世”と評される21歳・廣岡大志。今季は開幕スタメンで出場するなど、大きな飛躍が期待される 【写真:BBM】

 2018年シーズンに大きな飛躍が期待されるのが、高卒3年目の東京ヤクルト・廣岡大志だ。最も評価が高いのはスケールの大きい打撃。1軍最年少21歳のショートは、すべてにおいてどん欲にレベルアップを図っている。

開幕スタメンは「出させてもらった」

 成功と失敗を繰り返しながら、驚くほどのスピードで成長している。若いからという甘えはなく、むしろ若さを武器にしようとするどん欲さ。真剣勝負の中で、“山田哲人2世”と呼ばれる若きスラッガーが、飛躍のときを迎えようとしている。

──5試合連続ノーヒットから一転、4月7日の巨人戦では5打数5安打2打点の活躍でした。

 最近ちょっと調子が悪かったので、来た球を思い切り打とうと思って打席に入りました。自分でも信じられないです。

──初のお立ち台に上がりました。

 緊張し過ぎて……(苦笑)。話すのが下手なので、かまないようにと。でも、打ったことより(平凡なショートフライで三走・ゲレーロの生還を許した)タッチアップ。あれは良くなかったです……。

──プロ3年目のシーズンがスタートしましたが、どのような気持ちで日々の試合に臨んでいますか。

 昨年のオフから、この3年目のシーズンは、これからの野球人生においてすごく大事になると考えていました。開幕1軍入りし、スタメンで出場するという目標を立て、秋季キャンプ、自主トレ、春季キャンプに臨んできました。1年目、2年目はファームで多くの試合に出させてもらい、その中で三木(肇)コーチからは「守備をしっかりやろう」と。ショートという大事なポジションを守るわけですから、守備を重点的に鍛えてきました。

──1軍の首脳陣が大きく入れ替わり、秋季キャンプから守備面で宮本慎也ヘッドコーチ、土橋勝征内野守備走塁コーチが加わりました。

 秋季キャンプを経験して、練習の多さを実感しました。だから、その練習量に対してケガをしない体を作る、そしてしっかりとケアをすることを心掛けてきたんです。その結果、キャンプでは常にいい状態で練習することができましたね。でも、開幕スタメンはつかみ取ったというより、出させてもらっているという表現のほうが正しいと思います。

──自分の実力だけではないと。

 大引(啓次)さんがケガをしていたので、正直チャンスだと思っていました。だから、選ばれたことは素直にうれしかったです。

あわてずにプレーできた開幕戦

──「7番・ショート」で迎えた開幕戦は、どんな空気感でしたか。

 周りの方からは「緊張するぞ」と言われていて、確かに試合前までは独特な雰囲気で緊張感もあったんです。でも、始まってからはそれほど緊張することなく、あわてずにプレーできたと思います。

──第1打席は空振り三振でした。

 シーズン一発目の打席で、場面も場面でしたから(前打者・坂口智隆の先制2点タイムリー二塁打の直後という好機)。結果的には三振でしたけど、その瞬間に「次」と切り替えられたので、その点は良かったです。

──失敗を引きずらないタイプ?

 どちらかと言えば、守備でのミスを引きずってしまうんです。でも、この2年でそれじゃダメだなと分かるようになりました。試合は続くわけですし、常に前向きにプレーしていかないと。

──第2打席にはライト線に落ちる今季初安打が二塁打となりました。

 打った瞬間に「うわっ」と思ったんです。ライトフライか、セカンドフライかと。ラッキーでしたね。どんな形であれ、記録としてヒットが1本出たことで、気持ちの面で少しラクになりました。

──浅い当たりで二塁を陥れ、相手の悪送球で坂口選手が生還。自身も三塁に到達しました。積極果敢な走塁だったように思います。

 あの場面では、ショートの大和さんがベースから離れているのが見えたので、思い切って行きました。でも、三塁ベースコーチの河田(雄祐)さんからは「もっと慎重に見極めてから」と指摘されました。確かに好走塁と暴走は紙一重ですから。「結果オーライではダメだぞ」と言われましたし、僕もそのとおりだと反省しています。

──走塁にも高い意識がある?

 チームとしてどうやって得点するかが大事ですから。打つだけでなく、足を絡めて点を取っていかないといけません。ベースランニングだったり、リードの幅など、足からプレッシャーをかけていけば、相手にミスが出るかもしれないですし。河田さんは基本的なことを毎日のように言ってくださるので、自然と走塁に対する意識は高まったと思います。

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