ラッキー鞍上の石橋脩が一瞬見せた不安顔 2歳女王に死角あり?桜花賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 2018年のクラシック開幕戦となる桜花賞は、前哨戦のチューリップ賞も制して4戦4勝で臨む2歳女王ラッキーライラックが断然人気の様相に。果たして死角はないのか、ここで土を付ける馬が出現するのか、優馬TM(トラックマン)陣が徹底討論。

無傷での戴冠へ ラッキーライラックに死角はあるか

4戦4勝の2歳女王ラッキーライラックが断然人気(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「えぇっと、1、2、3……9個か。21人中9人の◎を集めたラッキーライラックは、他の馬に◎を打った者もほとんどが○だから、人気通りに不動の中心となるわけだな」

中邑ラッキーライラックが阪神ジュべナイルFを勝った時点では、正直、まだ桜も当確と言えるレベルではなかったと思いますが、走破タイムも上がり3ハロンも上回って勝ったチューリップ賞が圧巻でしたね。昨年の朝日杯FSとの比較でも、勝ち時計こそコンマ1秒遅いですが、上がり3ハロンは強かったダノンプレミアムをコンマ3秒も上回る素晴らしい数字です。ライバルと比べて明らかな成長を示したと言えるでしょう」

武井「離して逃げた馬を自ら追いかけて先頭に立ち、そのまま後続を突き放した前走のような競馬ができるのなら、最内枠だろうと多頭数だろうと他の馬に邪魔されることなく力を発揮できるはずですよ。未対決の馬もいますが、桜花賞への王道路線を歩んで結果と成長を示してきた以上、馬券の中心として信頼できるはずですね」

坂倉「ライバル視されていた阪神JFの2・3着馬も、チューリップ賞では時計を詰めて成長を示したにもかかわらず、ラッキーライラックに着差を広げられたわけですから、これは逆転も厳しいと言えるでしょうね」

ラッキーライラックは、普段の運動量が他陣営よりも多いですし、強い馬が簡単にそれをこなしてくればちょっと敵わないですよ」

桜井「阪神JFで世代の頂点に立ち、さらに休み明けの前哨戦も完勝した馬に、死角を探すことこそ困難でしょう」

久光「ただ、武井さんは“最内枠だろうと”と言ってましたが、弱気に乗るとアダとなる可能性のある危険な枠でもありますよね。そのあたり、石橋脩騎手がどう乗るかも見ものだと思いますが」

田崎「死角とまでは言わないまでも、確かにそこが鍵となるでしょうね。とりあえず4コーナーまで無事に好位を回ってくれば、前走を再現してくれるはずですよ」

小野智「枠順が決まってから当の石橋脩騎手に直撃したところ“内枠は嫌だとは思っていたけど、まさか最内枠とはね”と、一瞬不安そうな表情を見せたんですが“それでも、モマれて力を出し切れない、なんてことさえなければ結果は付いてくる”と。どう乗ればいいか、十分にわかっている様子でしたよ。昨夏の新潟で新馬を勝った時に、珍しく興奮して“間違いなくクラシック級”と言ったほど乗り味の良かった馬が順調に成長したのであれば、私も結果が付いてくると思ってますよ」

那谷「わざわざ声を大にして言うほどでもないけど、ラッキーライラックは、素直な気性で乗り手の指示に従順、スタートも速くてスッといいポジションに付けられる。追ってからもしっかり、馬込みも気にしない、と、これといった欠点が見つからないんだよな。鞍上がクラシックで断然人気を背負うプレッシャーや、最内枠で包まれるといった不測の事態を考えるのは、重箱の隅をつつくようなものだと思うよ」

デスク「ここで気になるデータをひとつ。過去77回の歴史の中で、無敗で桜花賞を制した馬は6頭。この数字を多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだろうけど、無敗で挑んだ馬が最近10年でも7頭いたことを思えば、けっして多い数字ではないよな。その無敗で制した馬は2004年のダンスインザムードを最後に途絶えているし、ラッキーライラックと同じように、阪神JF→チューリップ賞と制して4戦4勝だった昨年のソウルスターリングの結果を、みんなも忘れてはいないだろうに」

木谷「さらに補足しますと、昨年は道悪と言える稍重でしたが、ソウルスターリングのそれまでの4戦は全て良馬場でのものでした。今年も金曜の雨の影響が当日まで残る可能性がありますし、ラッキーライラックの4戦も全て良馬場なら、やーな感じもありますね」

福田「確かに道悪は不確定要素やけど、渋った馬場もこなすだけのパワーはあるし、スタートセンスの良さや小脚を使える器用さもあるから、枠順も問題ないやろ。前走の10キロ増から、さらに10キロ増えた木曜の計量も、中間の調整に抜かりがない以上、依然として成長曲線にある証拠やで」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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