有力馬4頭出し池江寿師の「意外な本音」 鼻息荒い騎手にも直撃!大阪杯記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 春の中距離路線における核となるべく昨年からGIへと昇格した大阪杯。皐月賞馬を筆頭に層の厚い4歳勢、対する上の世代ではここでの完全復活を期す馬も。優馬TM陣(トラックマン)が下した結論は如何に。

主役は充実4歳勢 皐月賞馬アルアインか無冠のスワーヴか

皐月賞と同じ2000mの距離でGI2勝目を狙うアルアイン(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「ドバイ組を欠くとはいえ、それでもGIにふさわしい好メンバーが揃ったよ。中でも目につくのは4歳勢で、先週の高松宮記念では3頭の出走にとどまったけど今回は7頭。しかも、そのほとんどが有力馬ということなら、まずはその力比較が鍵となるな」

中邑「やはりアルアインですね。良馬場の2000mなら、皐月賞を1分57秒8のレースレコードで制した能力を再評価すべきです。シンザン記念や菊花賞で崩れたように、本質的に道悪が得意ではない馬ですが、重馬場の京都記念で前半力みながらも2着と好走したあたりも、力を付けた証明と言えますよ」

武井アルアインの前走は、直線で外へヨレた分の2着だったように思いますが、実は皐月賞でも同じようにヨレる面を見せていたんですよ。川田騎手も、前哨戦でその癖を掴めたのは、この本番に向けての大きな糧となるはずですね」

西田「勝ち馬とのコース取りの差や2キロの斤量差を考えれば、私はアルアインの前走は勝ちに等しいと思っています。終始マークしていたレイデオロを、ゴール前でしっかりと捉えたという点でも、前哨戦としては十分な内容だったのではないでしょうか」

小桧山「5着に敗れたダービーにしても、鞍上が下手に乗ってのコンマ3秒差なら力の証明と言えるし、阪神の2000mは初めてだけど、皐月賞と同じ競馬ができれば勝ち負けになっていいよな」

久光アルアインは、内回りと2000mこそ初めてですが、阪神コース自体は2戦2勝で、スピード以上に、直線の急坂に対応できるだけの底力を持ち合わせていると言えますね。皐月賞以降の敗因も、それぞれハッキリしているだけに、今回の舞台替わりは大幅にプラスと考えていいでしょう。この先に控えるレースも睨んでいる馬が多い中で、2000mのこここそが狙った一戦だと思いますし、当然、期待できますね」

デスク「ただ、有力馬を4頭出走させる池江寿厩舎ということで、担当の那谷のジャッジが気になるが」

那谷「印の結論を先に言えば、アルアインは○。前走がいいガス抜きになって、最終追い後に“まだだよ、という指示に我慢できる。バランスの良い走りで動きも抜群にいい”と川田騎手が言えば、“前走で数字以上に緩かった馬体が締まってきました。心と体がマッチした充実した状態で送り出せます”と、担当の音瀬助手もデキの良さを強調していたからな。瞬発力勝負では少し分が悪いけど、平均して速い流れに強いタイプで、皐月賞と似た舞台の阪神2000mは条件的にも問題がないよ」

デスク「皐月賞馬という格でアルアインが先んじていることは確かだけど、今の実力ではスワーヴリチャードが上と見る向きもあるよな。実際、人気もこっちが上なんじゃないか?」

目黒スワーヴリチャードは、どの位置からでもコントロールが利くので、展開に左右されにくいと思います。スローを見越して早めにポジションを取った前走は、着差以上の完勝でしたし、今度こそGIタイトルを手中にできるはずですよ」

瀬古「その前走の金鯱賞は、今回の内回り2000mをイメージしたようなレースぶりでしたよね。成長力のある父の産駒らしく、確実に進化を遂げている感を受けますし、キタサンブラックなき今年の主役は、この馬だと思いますよ」

「順調さと実績から、安定感ではスワーヴリチャードが1番でしょうね」

デスク「右回りがどうたら、という不安もこの馬にはあったはずだけど」

広田「確かに、以前は右回りでスムーズさを欠く面も見せていましたが“成長した今なら右回りでも全く心配はない”と、陣営も意に介しておらず、馬体増も示す通り、心身ともに充実期に入ってきた印象を受けますね。無冠であっても世代ナンバーワンの力を付けているはずですし、GI獲りへ機は熟したと見ていいでしょう」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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