トロロッソ・ホンダ、開幕戦は不発 まだ見えぬ信頼性と示した可能性

F1速報

厳しい結果に終わった初戦

開幕戦はミスとトラブルと不運が重なったトロロッソ・ホンダ 【Red Bull Racing】

 2018年開幕戦オーストラリアGPは、トロロッソ・ホンダにとって極めて厳しい結果に終わった。リザルトはともかく、「信頼性第一」を掲げて臨んだはずのシーズン開幕戦で、走行距離482キロそこそこでいきなりMGU−H(熱エネルギー回生システム)が壊れてしまったことは極めて深刻な事態だ。

 壊れたパワーユニットはそのままメルボルンから栃木県にある研究所「HRDさくら」へと送り返され、すでに原因究明と対策が急がれているはずだが、次のバーレーンGPに向けてパワーユニットを送り出さなければならない水曜までの1週間でできる対策には限りがある。

『年間3基』という制約が課されている中でも、いわゆる消耗部品の交換はいつでも許されており、どのパワーユニットメーカーもスパークプラグやモーターのシャフトなど負荷の掛かる消耗部品は毎レース週末もしくは金曜の夜にも交換している。こうした寿命の短いパーツが壊れたのならまだメンテナンスサイクルの変更で対応が可能だが、根本的な設計変更が必要となるようならば、すぐには間に合わない。そもそも、信頼性を最優先に考慮して用意したはずのものが壊れたということは、ホンダの技術力が根幹から揺らいでしまうことになる。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは、それでも今後の開発に影響はないと話す。

「その辺りの影響度合いはまだ分かりませんが、基本的な開発計画については足を引っ張るようなことはないよう、開発は開発で(今回の対策とは)別としてしっかりとやっていきたいと思っています」

 昨年のイタリアGPでストフェル・バンドーンの車のみ二度にわたってMGU−K(運動エネルギー回生システム)のシャフトが折損した時のように、走行ラインのバンプが影響した可能性もないわけではないが、そうだとしても耐久性の想定が充分でなかったことは事実であり、レースを止めてしまったことに変わりはない。「信頼性第一」を掲げていただけに、ホンダにとってはこれが対策と名誉挽回のラストチャンスと言っても過言ではない。そのくらい深刻な事態に直面しているのだ。

予選の不発は両ドライバーの若さか?

開幕戦、ハートレーは15位 【Red Bull Racing】

 一方、マシンパッケージとしてのパフォーマンスは決して悪くはなかった。

 予選で両ドライバーともにミスを犯して本来のポテンシャルを引き出すことができなかったが、「あれほど路面グリップが向上しているとは予想できず、ターン1でブレーキングが早すぎた」というブレンドン・ハートレーは、そこだけで0.2〜0.3秒は失ったと言い、それがなければフォース・インディア勢を上回る13番手だった。

 ピエール・ガスリーは「ターン3で最初のランより50メートルブレーキングを遅らせたらロックして、まっすぐコースオフ。Q2を意識して、僅かだけど限界を超えてしまった」。昨年から常にハートレーより0.2〜0.5秒ほど速いタイムを刻んでいるガスリーならば、ミスをしたハートレーと0.459秒しか差がなかった12位のマクラーレン(バンドーン)に近いタイムを刻むことさえできたはずだ。

 だが、ともにアルバート・パークは初体験という両ドライバーの若さが予選での不発につながってしまったことは否めない。

 決勝でもそれは続いた。スタート直後のターン1で派手にタイヤをロックさせたハートレーは、「ブレーキング時にラインを変えて路面のバンプでロックしてしまった」と言い、これもこのサーキットでの経験があれば避けられたミスだった。

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