ハリル「W杯の試合だと思って挑む」 国際親善試合 ウクライナ戦前日会見
ウクライナ戦に向けた前日会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】
23日のマリ戦は1−1のドローに終わった日本。ハリルホジッチ監督は会見冒頭で「ウクライナはマリよりもレベルの高いチーム」と話すと、「この試合に向けて、選手たちには結果を求めた」とコメント。「これからわれわれは、しっかり一体感をもって進まなければならない」「ワールドカップ(W杯)に向けて、全員の理解を深めていきたい。戦術も技術もフィジカル面でも、前回より質の高い相手に対して、より高いレベルの試合を見せたい」と意気込みを語った。
この試合、選手たちには結果を求めた
この試合に向けて、選手たちには結果を求めた。前の試合に関しては、すべてに満足しているわけではない。日本だけではないが、W杯が近づいてくると少し緊張感が高まり、そうした中でいろいろな人のいろいろな発言が出てくる。少し発言が多いのはよくないが、それぞれが仕事を実行するだけだ。メディアの皆さんはスキャンダルや話題になりそうなものを探していると思うが、代表はどの国にあっても「聖なるもの」だ。われわれも(チーム内で)何か問題があればしっかり解決する。外部に対する発言というのはよくない。
W杯直前合宿前の最後の活動だ。私は来日してから、できるだけ多くの選手に表現の場を与えてきた。最終予選だけでも43人の選手を招集している。少し多すぎるかもしれないが、さまざまな理由があって多くの選手を招集した。最も多い理由はけがだ。今日の時点で7〜8人をけがで欠いている。これからわれわれは、しっかり一体感をもって進まなければならない。たくさんのスタッフがいて選手がいるが、団結しなければならない。日本人以外のスタッフもいるが、われわれも日本人の気持ちで挑んでいるし、そのように皆さんに扱っていただきたいと思う。
3年間、共に仕事をしてきた。そして非常に難しいチャレンジが待っている。まだ準備はできていない。2カ月後にどうなっているのか。それには、たくさんの要素が絡んでくる。そして私が先頭に立って、責任を持っていろいろなことを促していかなければならない。しっかり準備をしたいと思う。
──マリ戦から中3日でウクライナ戦ということで、本大会を意識した日程となっている。前回の低いパフォーマンスからどう立て直すのか?
先ほども申し上げたが、たくさんのけが人がいる影響で、チームは常に変わっている。どのような選手が来られなかったか、皆さんもご存じの通りだ。けががなかったら出場していた選手たちがいた。同時に、選手を試したいという思いもあった。たとえば今回、3人の右サイドバックがけがをしている。そうした状況に強いられた変更もある。このような変更点が多くなれば連動性も低くなる。30分の戦術練習で連動性を高めるのは、少し難しい部分がある。そして内容がよくなければ、監督の言っていることが分からないという状況から、そういった発言が出るかもしれないが、それはどのチームでも同じだ。
W杯に向けて、全員の理解を深めていきたい。戦術も技術もフィジカル面でも、前回より質の高い相手に対して、より高いレベルの試合を見せたいと思う。大きなチャレンジであり、W杯出場がかかっているという気持ちで挑みたい。このようなゲームで、しっかり自信を付けたい。もちろん2カ月後のほうが、パフォーマンスは上がっていると思う。それは守備でも攻撃でも、まだ修正点があるからだ。メンタルの面でも、文句のつけようのない姿を見せなければならない。
現時点でコロンビアに勝つのは幻想に近い
コロンビアの試合も見たが、まだ(日本とは)差があると思う。それを認識しながら動かなければならない。全員が団結して、すべての面で一体にならないといけない。このような状況は(これまでの経験でも)見てきている。全員がしっかり目を覚まして、意識してかないといけない。そのための唯一の責任者が私だ。私が求めていることは、はっきりしている。そこで成功できるかどうかは分からない。
たとえばコロンビアに勝ちたいと思っても、現時点で勝つのは幻想に近い話だ。2カ月後にどうなっているかは、見てみないと分からない。私はここで、おとぎ話をしたくはない。自分たちの特徴や状態などをしっかり認識しながら(準備をしたい)。そしてW杯では何が起こってもおかしくない。いろいろなことを起こせるということを認識させる必要がある。選手たちが勇気を持って、意欲的に挑める状況を作りたい。そのために、現時点では多くの仕事がまだ残っている。もちろん、批判することは簡単だし、皆さんが私を批判するのも問題はない。そして私は皆さんの前で、選手を批判することはしない。選手たちと直接話をするときは別だが、すべてはチームをよくするためだ。
明日のチャレンジだが、非常にいいチームとの対戦になる。われわれよりランキングで上位。もちろん、来られなかった選手がいるかもしれないが、それでも上位だ。そのチームに対して、勝利という結果を残したい。相手が格上と言われる中で、トライしないといけない。そういったことを求めたいと思っているので、理解していただきたい。相手(の身長)が1メートル90センチだったとしても、競り合いで勝つこともできる。そのようにトライしていきたい。