金本阪神、リーグ優勝へ準備は万端 若手の台頭で超変革が一気に加速

ベースボール・タイムズ

メジャーでの実績十分の新助っ人

メジャー通算71発、韓国で2年連続「3割、30本塁打、100打点」をたたき出した新加入のロサリオには4番定着が期待される 【写真は共同】

 充実感の漂うキャンプから一転、オープン戦ではまさかの苦戦が続いたが心配は無用だ。2014年もオープン戦は3勝10敗3分の勝率2割3分1厘で開幕を迎えたが、シーズンでは2位となり、広島と戦ったクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでは、相手に1得点も許さず、ファイナルステージではリーグ王者の巨人を相手に鮮やかな4連勝。日本シリーズ進出を果たしたのだ。しかも、今季の陣容は2位となった昨季以上と評される声も多い。

 その最たる根拠が、メジャー通算71発の頼もしい4番候補の加入だ。実績十分の右の大砲、ロサリオは、規格外の飛距離が魅力。キャンプでも実戦が始まると同時にアーチを描き、練習に真面目に取り組む姿は日本向き。韓国でも2年連続で「3割、30本塁打、100打点」を記録しており、異国への適応力にも不安はない。昨季のチーム本塁打113本は、優勝を果たした広島とは約40本(広島は152本塁打)の開きがある。

 昨季、福留孝介、糸井嘉男、原口文仁、中谷将大、ロジャース、大山悠輔と6人が担った伝統球団の4番に、年間通して助っ人の名前が書き込まれれば、その差は必ず埋まるはず。オープン戦では13試合35打数5安打、打率1割4分3厘、1本塁打、4打点と低迷している点は大きな不安材料だが、これまでオープン戦では打ちまくったのに開幕後はサッパリという助っ人が多くいただけに、今回はその“逆”だと信じたいところだ。

プロ2年目の和製大砲への期待

 ロサリオがやってもらわなければ困る選手ならば、今季ぜひともやってもらいたいのが大山だ。ドラフト1位指名でプロ入り。ルーキーイヤーの昨季は7月1日の東京ヤクルト戦でプロ初安打をプロ初本塁打で決めると、その後も勝負強い打撃でチームの勝利に貢献。9月1日の中日戦では4番打者を務め、横浜DeNAとのCSでも全3試合に「5番・ファースト」とクリーンアップの一角として出場した。

 ただ出場しただけではない。シーズン以上に大きなプレッシャーがかかった短期決戦で計13打数7安打の打率5割3分8厘と打ちまくり、試合には敗れたがCSファーストステージ第2戦では本塁打も放ち、計4打点を記録した。さらに今月上旬に行われた侍ジャパンの強化試合(オーストラリア戦)の日本代表メンバーに選ばれるなど、全国的な知名度アップとともに順調なステップアップを遂げている。

 バットだけでなく、守っては強肩を生かしたスローイングに定評があり、二遊間に加えて外野も経験済み。今季は本来の三塁手として臨むことが決定的で、さらなる成長に期待がかかる。

1/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント