円熟期の広島が偉業となるV3狙う 投打で予想外のプラスアルファが必須

ベースボール・タイムズ

今オフ唯一の即戦力の補強として獲得されたカンポス。マイナー時代から常に投球イニング数を上回る奪三振数を記録したパワーピッチャー 【写真は共同】

20代で構成される投打の主力

 球団史上初、セ・リーグでも巨人以外は成し遂げたことがない偉業となるリーグ3連覇を目指す広島。2016年は日本シリーズで北海道日本ハムに敗れ、昨季はクライマックスシリーズ(CS)で横浜DeNAにまさかの敗北を喫し、三度目の正直で悲願の日本一を目指すシーズンとなる。

 16年は2位・巨人に17.5ゲーム、昨季も2位・阪神に10ゲーム差と圧倒的な強さでリーグ連覇を果たしたチームは、丸佳浩、菊池涼介、田中広輔の同級生トリオを中心に、主力選手のほとんどが20代中盤から後半の選手で構成され、円熟期を迎えつつある。

 連覇の原動力となったのが、リーグ断トツの736得点を記録した攻撃陣だ。チーム打率(2割7分3厘)、同本塁打(152本)だけでなく、112盗塁に116犠打までもがリーグトップで、大技小技に機動力も加えた文字通りの最強打線となった。投手陣も、先発ではジョンソン、野村祐輔のタイトルホルダー2人を中心に、昨季は最高勝率のタイトルを獲得した薮田和樹や大瀬良大地、岡田明丈が2ケタ勝利を記録。リリーフ陣も中崎翔太や今村猛、一岡竜司など、20代の投手でブルペンを形成している。

奪三振率高い新外国人リリーバー

 今季も主力メンバーにほとんど変動はなく、25年ぶりの優勝から連覇を目指した昨年同様、オフに目立った補強は行わなかった。昨秋のドラフトでは地元のスター選手である広陵高・中村奨成の獲得に成功したが、高卒1年目捕手に即戦力を期待するべきではなく、2位以下で指名した選手も、大学生投手がいるとは言え、素材型の将来性を重視した指名となった。

 その中で、唯一の即戦力と言えるのが、リリーフでMLB通算38試合登板の実績を持つ新外国人のカンポス。マイナー時代からメジャーの舞台でも、常に投球イニング数を上回る奪三振数を記録したパワーピッチャーだ。チームには先発のジョンソン、セットアッパーのジャクソンと実績十分な助っ人がすでに在籍しており、外国人枠の問題で1軍当確とはいきそうもない。ただ、昨季はジャクソンに勤続疲労の兆候が見られ、ジョンソンも故障などで離脱を繰り返すなど、オープン戦でも高い奪三振率を記録しているリリーバーの出番は長いシーズンの中で必ずありそうだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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