優勝候補の一角に挙げられるDeNA ラミレス監督も選手の成長に自信あり

ベースボール・タイムズ

新たな“つなぎ役”が与える影響

阪神からFAで加入した大和。内外野を守れるユーティリティープレーヤーとして戦力に厚みをもたらす 【写真は共同】

 リーグ3位からクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜き、1998年以来となる日本シリーズ進出を果たした昨季の横浜DeNA。球団初のCS進出を果たした2016年からステップアップを果たし、今季は20年ぶりのリーグ優勝を本気で狙いに行く。

 その本気度を感じさせたのがオフの積極的な補強だった。内外野のレギュラーに20代後半の充実期を迎えた選手がそろい、左腕の好投手の存在も目立つ先発陣など、十分に投打に勢いを感じさせるチーム編成だったが、まずは野手の大物選手の移籍がほとんどなかったFA戦線で大和を獲得。阪神では外野も守り、球界でも屈指の守備力を誇るユーティリティープレーヤーの加入で、二遊間は一気に激戦区になった。

 オープン戦では15試合に出場して53打数9安打の打率1割7分とヒットの数は多くないが、3犠打4盗塁と持ち味はアピール。ディフェンス力のアップは確実な上、ロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎の強力クリーンアップにつなぐ2番打者としても大きな役割と期待を背負いそう。

 守備面でも、後ろに大和がいるだけで投手陣の安心度は変わる。チーム全体へも大きな刺激になっている。

1年目から活躍気配のルーキー勢

 ドラフトでは大学ナンバーワン左腕の評価だった立命館大・東克樹の単独指名に成功し、今永昇太、石田健太、浜口遥大との先発左腕カルテット結成が期待される。オープン戦では、初先発で5回2死まで1安打無失点の好投を見せて開幕ローテーション入りをアピール。開幕投手の候補だった今永と浜口が左肩の違和感、ウィーランドも右ヒジ痛を発症するなど、先発陣が緊急事態に見舞われる中、ドラ1左腕の重要度は増している。

 ドラフト下位にも面白い存在がいる。5位の桜井周斗は、名門・日大三高のエースとして早稲田実・清宮幸太郎(北海道日本ハム)から5打席連続三振を奪って話題になったサウスポー。将来的には前述の先発左腕カルテットに割り込める素材だが、オープン戦での清宮との再戦で再び三振を奪うなど好投を続けており、リリーフとして早い段階での1軍昇格もありそうだ。

 野手でも下位指名の選手がオープン戦で快打を連発し、開幕1軍が有力となっている。東北福祉大から8位で入団した楠本泰史は、昨夏のユニバーシアード大会で侍ジャパン大学代表の4番を任された逸材。センター返し中心のシュアな打撃と俊足が武器だが、オープン戦では11試合で15打数8安打の打率5割3分3厘で本塁打も2本放ち、開幕後は左の代打として秘密兵器的な存在になりそうだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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