優勝候補の一角に挙げられるDeNA ラミレス監督も選手の成長に自信あり
新たな“つなぎ役”が与える影響
阪神からFAで加入した大和。内外野を守れるユーティリティープレーヤーとして戦力に厚みをもたらす 【写真は共同】
その本気度を感じさせたのがオフの積極的な補強だった。内外野のレギュラーに20代後半の充実期を迎えた選手がそろい、左腕の好投手の存在も目立つ先発陣など、十分に投打に勢いを感じさせるチーム編成だったが、まずは野手の大物選手の移籍がほとんどなかったFA戦線で大和を獲得。阪神では外野も守り、球界でも屈指の守備力を誇るユーティリティープレーヤーの加入で、二遊間は一気に激戦区になった。
オープン戦では15試合に出場して53打数9安打の打率1割7分とヒットの数は多くないが、3犠打4盗塁と持ち味はアピール。ディフェンス力のアップは確実な上、ロペス、筒香嘉智、宮崎敏郎の強力クリーンアップにつなぐ2番打者としても大きな役割と期待を背負いそう。
守備面でも、後ろに大和がいるだけで投手陣の安心度は変わる。チーム全体へも大きな刺激になっている。
1年目から活躍気配のルーキー勢
ドラフト下位にも面白い存在がいる。5位の桜井周斗は、名門・日大三高のエースとして早稲田実・清宮幸太郎(北海道日本ハム)から5打席連続三振を奪って話題になったサウスポー。将来的には前述の先発左腕カルテットに割り込める素材だが、オープン戦での清宮との再戦で再び三振を奪うなど好投を続けており、リリーフとして早い段階での1軍昇格もありそうだ。
野手でも下位指名の選手がオープン戦で快打を連発し、開幕1軍が有力となっている。東北福祉大から8位で入団した楠本泰史は、昨夏のユニバーシアード大会で侍ジャパン大学代表の4番を任された逸材。センター返し中心のシュアな打撃と俊足が武器だが、オープン戦では11試合で15打数8安打の打率5割3分3厘で本塁打も2本放ち、開幕後は左の代打として秘密兵器的な存在になりそうだ。