中日、未知数ゆえに大番狂わせも期待 “モリシゲ流育成術”の真価に注目
オープン戦無失点と好投を続けたドラフト1位ルーキー鈴木博。どの場面で起用されるのか注目が集まる 【写真は共同】
京田と福田が順調な仕上がり
京田は“2年目のジンクス”という不安要素が影を落とすかと思いきや、そんな忌々しいワードを微塵も感じさせないほど充実した表情でキャンプを送ってみせた。オープン戦では大島洋平の後ろに控える嫌らしい2番打者として適性を見せている。走攻守のすべてにおいて欠かせない存在となった京田の元気な姿は何よりの安心材料だ。
福田においてはゲレーロが抜けた穴を埋められる筆頭候補。昨季は7月以降の約3カ月間で18本塁打を放った長打力は年々精度を上げている。キャンプ中盤から打撃のズレを吐露していたが、その中でもオープン戦で打率2割7分1厘、3本塁打、11打点の成績を残している。大島以来、日本人野手でレギュラーに定着した選手が育っていないことも低迷の一因。京田と福田がレギュラーの座を確固たるものにすることは、チーム浮上の大きな原動力になることは間違いない。
ドラ1鈴木博の守護神抜てきも
田島が本来の調子を取り戻せないのであれば、早々にドラフト1位ルーキーの鈴木博志を抑えに抜てきするだけの価値は十分にある。沖縄のキャンプ中の対外試合から、同24日の千葉ロッテ戦まで8試合連続で無失点投球を継続。鈴木博自身も入団時から目標は抑えと公言するだけの度胸も備わっている。
鈴木博の起用法も含め、今季は森監督の采配に期待したい。昨季は「選手もコーチも見ていた」と静観の構えでいたが、今季は「言いたいことを言っていく」と勝利に向けた本気度が違う。高橋周平にセカンド挑戦を命じるなど、チームを背負って立つべき逸材のたたき上げにも本腰を入れている。未知数の力を秘めた若手が1人でも多く覚醒を遂げれば、下馬評を覆す大番狂わせを起こすことも可能。指導歴27年で培った“モリシゲ流育成術”の真価に注目だ。