中日、未知数ゆえに大番狂わせも期待 “モリシゲ流育成術”の真価に注目

ベースボール・タイムズ

春はプロ野球界の話題の中心となった“平成の怪物”松坂。中日で復活を果たすか!? 【写真は共同】

小笠原ら若手投手陣が猛アピール

 5年連続のBクラスで球団ワーストを更新している中日。しかし、暗く長いトンネルも出口はすぐそこにあるのかもしれない。そう感じさせるのはイキのいい若手が数多く台頭しているからに他ならない。特に投手陣において高卒3年目の小笠原慎之介がオープン戦4試合で2勝0敗、防御率1.35と好調をキープ。球団最年少(2リーグ制以後)の開幕投手にも指名された。加えて、2年目の柳裕也と笠原?太郎も抜群の安定感を見せれば、彼らに負けじと昨季プロ初勝利を含む5勝を挙げた鈴木翔太が3月13日の埼玉西武戦で6イニングを3安打無失点に抑えて必死に食らいつく姿を見せている。停滞していた世代交代が一気に加速度を上げている様相だ。

 さらに新戦力に目を向けると、無駄のない的確な補強が層を厚くしている。2ケタ勝利投手が2年連続で不在という懸案事項において、先発ローテの柱を託す救世主として期待がかかるのがメジャー通算51勝の実績を誇るジー。海の向こうで2度のシーズン2ケタ勝利を達成し、開幕投手も務めた実力は本物。実戦を重ねるごとに調子を上げ、3月18日の阪神戦では6イニングを7奪三振無四球の無失点で信頼感を増した。もう1人の新外国人・ガルシアも当面は左腕不足の中継ぎでの起用が予想されるが、先発としても結果を出すなど起用の幅は広がっている。

話題の中心となった松坂の存在

 野手ではともに両打ちの外野手であるアルモンテとモヤを獲得。外国人に関しては蓋を開けてみなければ分からない面があるが、アルモンテは20日のソフトバンク戦で東浜巨から2試合連続アーチとなる満塁弾をお見舞い。オープン戦17試合で打率2割8分、4本塁打、11打点と調子を上げている。巨人へと移籍した昨季の本塁打王・ゲレーロの穴を埋めることができれば、一気に打線の破壊力は増す。

 また、積年の課題であった正捕手の確立についても、北海道日本ハムからFAで大野奨太の獲得に成功。3月に入って右ひじの張りを訴えて離脱するアクシデントがあったが、日本一を達成した経験と定評のあるインサイドワークは若手投手の成長の一助となるに違いない。

 彼らには大きな期待が寄せられるが、それでも話題の中心は“平成の怪物”こと松坂大輔だった。ソフトバンクを自由契約となり、春季キャンプ直前のテストで入団が決まると、復活に向けたステップを着実に踏んで開幕ローテ入りをほぼ決定的としている。今後は日本球界復帰後の初勝利、さらにはシーズンの勝ち星の数に注目は集まる。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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