ミスタースワローズ復帰で打線強化 投手力不安も打ちまくって再浮上へ

ベースボール・タイムズ

新首脳陣の下に青木が電撃復帰

メジャーから7年ぶりに古巣復帰となった青木。ミスタースワローズとして存在感を発揮できるか!? 【写真は共同】

 昨季、球団ワーストの96敗を喫し、最下位に沈んだ東京ヤクルト。投打で多くのケガ人が出たことで苦しい戦いを強いられただけでなく、2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人の不振、ベテラン左腕・石川雅規の11連敗などの負の要素が一気に押し寄せた形となった。

 この悪い流れを払拭(ふっしょく)すべく、オフには首脳陣を一新。小川淳司監督が4年ぶりに現場復帰を果たし、現役時代にチームの中心だった宮本慎也がヘッドコーチに就任した。また、昨季まで広島でコーチを務めていた石井琢朗(打撃コーチ)、河田雄祐(外野守備走塁コーチ)を招へいし、チームに新しい風を吹かせる体制を整えた。

 頭をすげ替えるだけでは不十分だったが、ここにシーズン200安打を2度達成し、日米通算2058安打を放っている安打製造機・青木宣親が7年ぶりに復帰。今年で36歳となった“ミスタースワローズ”だが、そのシャープなスイングは今も健在。リードオフマンとしてチャンスメークできるだけでなく、クリーンアップに座れば勝負強さを発揮し打線に勢いを与えてくれる。オープン戦では12試合で31打数9安打、打率2割9分を記録し、4番にも座って存在感をアピールした。

新助っ人3投手の活躍が不可欠

 打撃陣以上に立て直しが急務とされているのが投手陣だ。先発は、石川、小川泰弘、ブキャナン、由規、原樹理、星知弥と一見、コマはそろっているように感じるが、それぞれに好不調の波が激しいこともあり、シーズンを通しての信頼感に乏しい。

 そこで白羽の矢を当てたいのが、アルメンゴとハフの新助っ人。アルメンゴは、昨年まで中日(登録名はジョーダン)でプレー。先発、中継ぎで活躍して計6勝を挙げた。勝ち星よりも評価したいのが防御率の向上。来日1年目は防御率4.24と苦しんだが、昨季は2.30と安定感を増した。日本の野球にアジャストした証でもあることから、3年目の今季はさらなる飛躍に期待したい。一方のハフは、150キロのストレートと鋭い変化球をコーナーにきっちり投げ分けられる投球術が武器。左で先発を託せるのが石川だけという状況を打破してくれるはず。外国人登録の関係でともに常時1軍帯同というのは難しいかもしれないが、この2人が計算できればチームとしては非常に大きなプラス材料になる。

 さらに、最大の懸念材料となっていた抑え役として新たにカラシティーが加入。191センチの長身から投げ下ろす最速159キロの直球とスプリットが持ち味で、高い奪三振率を誇る。来日会見では「40セーブを目標にやっていきたい」と強気に宣言。秋吉亮との争いとなるが、ブルペン陣は間違いなく厚くなるはずだ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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