「元祖下克上」ロッテのチーム改革 経験十分の井口新監督の手腕に期待

ベースボール・タイムズ

涌井残留や助っ人加入で先発陣そろう

先発ローテーションを組む上で、涌井の残留は大きい 【写真は共同】

 球団ワースト記録となるシーズン87敗を喫して2011年以来となる最下位に沈んだ昨季の千葉ロッテ。日米で21年間の現役生活を終えた井口資仁新監督の下、コーチ陣や外国人選手を一掃した新体制で、チーム改革に取り組むシーズンとなる。

 昨季12球団ワーストのチーム防御率4.22を記録した投手陣だが、FA宣言してMLB移籍を試みた涌井秀章が契約不調でチーム残留が決定し、侍ジャパン代表として第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した石川歩との先発二本柱は堅持された。この2人に続くのが、昨季規定投球回数をクリアした二木康太、ルーキーイヤーから先発ローテ入りした佐々木千隼や酒居知史、プロ11年目の唐川侑己ら頭数はそろっている。

 そこに加わるのが、新外国人のボルシンガー。15年にドジャースで6勝をマークした右腕で、ボールを動かしながら内野ゴロの山を築くスタイルで試合を作る。3月3日の北海道日本ハム戦では2回5安打5失点と乱調だったが、同11日の福岡ソフトバンク戦では4回1安打無失点と好投。オープン戦ラスト登板となった24日の中日戦では4回8失点と荒れるも、開幕ローテ入りに滑り込みそうだ。

 もう一人、100キロ近い体格から150キロ超の直球で打者を圧倒する左腕のオルモスも14日のオリックス戦で4回1失点とまずまずの投球を披露。新助っ人2人を加えた面々が本来の力を出せば、上位陣とも十分に渡り合える先発陣になる。

 救援陣では、益田直也と内竜也の実績組に、昨季50試合以上登板を果たした大谷智久と松永昂大、さらにルーキーで18ホールドポイントを記録した有吉優樹が名を連ねる。昨季は全体的に安定感を欠いたが、先発同様に枚数はそろっており、トライアウトを経て加わった大隣憲司のピッチングにも注目したいところ。何より、メジャー通算180試合に登板し、13年にはレンジャーズで76試合登板、防御率1.88の実績を持つシェッパーズが、オープン戦6試合で6イニングを投げて1失点、防御率1.50と好投。イニングを上回る7奪三振をマークしており、リリーフとして大いに期待できる。

期待の4番候補がオープン戦で低迷

 その一方で、打線が気がかりだ。課題の得点力不足解消のために野手の新外国人を2人獲得。4番候補として獲得されたドミンゲスは、13年にアストロズで21本塁打を記録した期待の大砲だが、オープン戦では19打数3安打、打率1割5分8厘と調子が上向かず。もう一人のペゲーロは、春季キャンプでの入団テストに合格したドミニカ共和国出身の外野手で、昨年はBCリーグ・富山で打率3割8分7厘、20本塁打を記録したが、こちらもオープン戦で9打数2安打、打率2割2分2厘。昨季はダフィーとパラデスが期待外れに終わったことがチーム低迷の大きな要因となっただけに、井口新監督としても気がかりな部分だ。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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