天国か地獄か!? 予想難解な日本ハム 大谷ら主力流出も魅力ある新戦力台頭

ベースボール・タイムズ

堀、横尾らブレーク候補の若手たち

2年目左腕の堀は大舞台での勝負強さが武器。今季のブレーク候補だ 【写真は共同】

 今季加入した新戦力にはもちろん期待だが、チームには楽しみな若手陣がすでに揃っている。そしてレギュラー選手が抜けても、成長著しい若手がカバーするチームカラーは健在だ。

 若手投手の筆頭格は、16年ドラフト1位左腕の堀瑞輝。昨季は高卒1年目ながら1軍を経験し、昨年11月、今年3月と侍ジャパンのメンバーにも選出された。昨年11月の韓国戦では延長10回に登板して勝利投手となり、今年3月のオーストラリア戦では2イニングをパーフェクトに抑えてチームの完封勝ちに貢献した。控えめで大人しい性格とは裏腹な大舞台での勝負強さを備え、今季のさらなる飛躍が期待できる。

 堀と同じプロ2年目の玉井大翔も、虎視眈々(たんたん)と先発ローテの一角を狙っている。こちらは大学、社会人を経てのプロ入りと豊富な経験を持つ実戦派の右腕で、武器の変化球を生かすストレートの制球力が向上。昨季後半戦はファームで先発の経験を積み、2年目の大化けに向けての態勢を整えている。

 野手では、昨季終盤に本塁打を量産した横尾俊建がブレイクの筆頭候補。177センチ93キロの体格から「おにぎり君」の愛称で、本職のセカンドだけでなく、内外野に捕手も守れる強みも持つ。そしてもう一人、昨季イースタンリーグで本塁打王に輝いた森山恵佑もファースト、外野手争いのダークホース。オープン戦でも本塁打を連発した左の大砲候補は、同じタイプの清宮の入団に闘志を燃やしている。

戦力ダウンを補うチームの活動力

 チームの大黒柱に、正捕手&守護神が抜ければ、チームは大幅な戦力ダウンになることは間違いない。だが、それを補うだけの活動力が北の大地のチームにはある。現に、生え抜き選手から今やチームの看板となった西川遥輝や、昨季は故障離脱まで打率4割をキープした近藤健介らの主力選手を育成し、交換トレードでは矢野謙次や大田泰示ら、他球団で埋もれかけていた逸材を開花させ、MLB移籍した田中賢介や村田透には日本復帰の受け皿となり、戦力にしている。これらの独自のチーム作りで、過去10年に7度のAクラス入りを果たしたチームが、今回もまた息を吹き返し、新時代を築くことができるか。

 ダルビッシュ有や糸井嘉男ら大物選手の流出をモノともせず、6年間でリーグ優勝2回、日本一1回を記録している栗山英樹監督の手腕も注目される。優勝もあれば最下位の可能性もありそうな、とにかく予想が難解なチーム。同時に、大きな可能性とたっぷりの魅力を持ったチームであることは間違いない。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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