天国か地獄か!? 予想難解な日本ハム 大谷ら主力流出も魅力ある新戦力台頭

ベースボール・タイムズ

清宮へと受け継がれた「夢」

大谷翔平は去ったが、その「夢」は清宮幸太郎に引き継がれる 【写真は共同】

 2016年の日本一から、昨季は一度も貯金を作ることなく、5位に終わった北海道日本ハム。わずか1年で天国から地獄へ転落したチームは、唯一無二の存在だった“二刀流”大谷翔平をMLBへと送り込み、今季も苦しい戦いを強いられそうだ。

 しかし、大げさに悲観する必要はない。確かに大谷の流出は投打で大きな損失となるが、それでも昨季FA権を獲得して移籍がうわさされた中田翔が打撃不振の影響もあり、残留が決定。日本一メンバーである増井浩俊(オリックス)と大野奨太(中日)のバッテリーもFAで移籍したが、もともと積極的な新陳代謝でチーム力を維持してきた実績もあり、今季も若手の成長と効果的な補強で、戦えるだけの戦力は整いつつある。

 その新戦力で目玉中の目玉と言えるのが、ドラフトで7球団が競合した清宮幸太郎である。歴代最多となる高校通算111本塁打を記録した稀代のスラッガーは、大谷から「夢」を受け継ぐ存在になる。春季キャンプやオープン戦では、右手親指の打撲や急性胃腸炎などアクシデントに見舞われてノーヒットが続く厳しい状況だったが、首脳陣の方針もあり、1年目から1軍でその姿を見られることは間違いなさそう。シーズンは長い。焦ることなく、じっくりと清宮版の「夢」を見届けよう。

カギを握る4人の新助っ人

「夢」の行方を気にしながらも、今季に限れば、新たに獲得した外国人勢がチームの浮沈を左右することになりそうだ。

 計3人を獲得した投手では、レンジャーズで15年に7勝をマークするなど、メジャー通算17勝の実績を持つマルティネスの評判がいい。メジャー数球団との争奪戦の末に獲得した右腕は、打者の手元で動くムービングボールを武器に開幕投手の声も挙がる。オープン戦では4試合に先発して1勝1敗、防御率5.50と課題を残したが、本領発揮はここから。推定2億円の高年俸で、働いてもらわなければ困る存在だ。

 ドミニカ共和国出身のロドリゲスも先発候補で、オープン戦5試合で1勝1敗、防御率4.05。こちらも開幕投手候補に名前が挙がる。そしてもう一人のトンキンは、退団したマーティンに代わる“8回の男”としての起用が有力。身長2メートル1センチからのパワフルな投球で、新たな勝利の方程式構築の重要な役目を担う。

 さらに野手・大谷に代わる存在として期待されるのが、14年にツインズで20本塁打を記録するなど、メジャー通算44本塁打の実績を誇るアルシア。昨季は3Aで打率3割2分6厘、24本塁打、87打点の好成績を残しており、太い腕からの鋭いスイングは魅力タップリ。左のパワーヒッターの存在は打線の中でも大きなポイントであり、中田の後、レアードの前を打つ5番打者として期待される。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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