若手が順調に成長した楽天 反省を生かして5年ぶりの頂点へ!

ベースボール・タイムズ

内田(写真左)はオープン戦首位打者に立つなど、打撃が持ち味。チーム力の底上げにひと役買いそうだ 【写真は共同】

期待の長距離砲ルーキーは出遅れ

 一方、即戦力の期待もあった2位入団の岩見雅紀(慶応大)は、合同自主トレで体力不足を露呈し、キャンプでも発熱で出遅れた。東京六大学史上3位となる通算21本塁打を記録し、「慶応のエルドレッド」と呼ばれた打棒を1軍で披露するのは、もう少し先になりそうだ。

 そして強力外国人野手トリオの影響で1枠のみとなる外国人投手は、昨季セットアッパーとして56試合に登板したハーマンでほぼ確定だが、期待の若手外国人投手もいる。台湾出身で今季3年目を迎える宋家豪だ。育成契約でスタートした昨季は7月に支配下登録されると、シーズン終盤に1軍昇格を果たしてホールドも記録。CSではファーストステージの西武戦で初勝利を挙げ、ソフトバンクとのファイナルステージでも勝利投手となり、ハイレベルなブルペン陣に割り込める実力を証明した。ハーマンが不振、もしくは野手3人のうち誰かにアクシデントがあった場合には、バックアップ要員として頼れる存在になりそうだ。
 外国人に頼ることなく、安定した戦いができるようになれば非常に楽しみ。台風の目となった昨季から、主役に躍り出るポテンシャルは十分にある。

若手の成長で選手層アップへ

 梨田昌孝監督の下、戦力の立て直しに成功したチームは、大本命のソフトバンクを脅かせるまでの戦力が整った。これまで監督を務めた大阪近鉄、北海道日本ハムでは、いずれもチームをリーグ優勝に導いている名将が、東北の地に再び歓喜をもたらすことができるか。

 投手陣は先発三本柱に加えて、2年目右腕がローテに定着すれば強力な陣容が出来上がる。守護神の松井裕樹を中心に、リリーフ陣はチームの強み。課題は野手陣の選手層。昨季は主力の相次ぐ故障が夏場の急ブレーキにつながった。その反省も踏まえ、今季はプロ3年目を迎えてますます元気なオコエ瑠偉を筆頭に、昨季56試合に出場した三好匠、ファーム二冠王の内田靖人ら、若手の台頭が必要不可欠になる。彼らがレギュラーに食い込むようになれば、チームは新たなステージを迎えることになる。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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