若手が順調に成長した楽天 反省を生かして5年ぶりの頂点へ!

ベースボール・タイムズ

プロ2年目のドラ1&ドラ2に期待

2年目の藤平は田中将大、則本に次ぐエースの系譜を引き継げる存在。今季は開幕からローテの一角を担う 【写真は共同】

 昨季はリーグ優勝した2013年以来となるAクラス(3位)入りを果たし、クライマックスシリーズ(CS)では埼玉西武を破ってファイナルステージまで進出した東北楽天。ペゲーロ、ウィーラー、アマダーの外国人トリオの活躍などで前半戦は首位を快走しながら夏場以降に失速した反省を生かし、今季は5年ぶりのリーグ優勝を狙う。

 外国人を含めた主力選手の流出もなく、投打ともにメンバーは昨年とほとんど変わりはない。補強もドラフト以外では新外国人野手が1人、福岡ソフトバンクとの交換トレードで捕手の山下斐紹を獲得したほかは、西武を戦力外となった渡辺直人が8年ぶりの復帰を果たした程度だ。新外国人のディクソンは右の大砲候補だが、野手の外国人枠は前述の強力トリオで埋まっており、現状では故障者が出た際のバックアップ要員にとどまっている。

 投手陣は則本昂大、岸孝之、美馬学の先発三本柱に、16年ドラフト1、2位投手が先発陣に加わりそう。1位の藤平尚真は、高卒1年目からシーズン後半にローテ入りを果たして3勝をマーク。オフにはヤンキース・田中将大や則本らと自主トレを行い、エースの系譜を引き継ぐ存在として期待され、オープン戦でも4試合に登板して計19イニングを投げて被安打19も、それを上回る20奪三振をマークして防御率3.32。2位の池田隆英も、春季キャンプから実戦登板で好投を続け、先発6番手として開幕1軍が有力視される。150キロ超えの速球に、新球としてマリナーズ・岩隈久志直伝のツーシームが加わり、投球の幅が広がった。三本柱の則本、美馬はいずれもドラフト2位入団で、「第三の男」として飛躍の年にするつもりだ。

高卒ルーキーもハツラツプレー

 今年のルーキー組では、6位入団の高卒内野手が春季キャンプ、オープン戦で脚光を浴びている。仙台育英高出身の西巻賢二だ。茂木栄五郎と藤田一也の二遊間コンビの出遅れもあり、キャンプ途中から1軍に抜擢(ばってき)されると、走攻守でハツラツとしたプレーを披露。身長167センチと小柄だが、侍ジャパン高校代表で見せた鉄壁の守備はすでにプロレベルで、パンチ力も秘めた打撃に対しての首脳陣の評価も高い。

 投手では4位入団の渡邊佑樹(横浜商大)も面白い存在だ。目標とするソフトバンク・和田毅を思わせる球の出所が見づらい投球フォームから投げ込む切れ味鋭いスライダーとツーシームは、左打者には脅威となるはず。昨季、救援防御率リーグ2位のリリーフ陣で、高梨雄平に次ぐ左の中継ぎとして定着できれば、ブルペンがさらに厚みを増すことになる。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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