10年ぶり頂点狙う西武の期待と課題 黄金期知る辻監督の下でチャンス到来
首位打者・秋山ら圧倒的攻撃力が武器
昨季は首位打者と最多安打に輝いた秋山。今季もリードオフマンとして、打線をけん引する 【写真は共同】
昨季はチーム打率(2割6分4厘)、盗塁数(129)でリーグ1位、本塁打数(153本)も同2位で、リーグ断トツの690得点を記録した。初の首位打者に輝いた秋山翔吾をトップバッターに、中軸には浅村栄斗、中村剛也、メヒアに加え、昨季23本塁打と本格化の兆しを見せた山川穂高ら一発屋をそろえた。
さらに新人王の源田壮亮、外崎修汰、金子侑司の3人で計85盗塁を記録した機動力も織り交ぜ、その攻撃力はリーグ屈指の破壊力を誇る。一方で、昨季11勝を挙げた野上亮磨がFAで巨人、リリーフでも牧田和久がポスティングシステムを利用してパドレスに移籍した。エースの菊池雄星への過度な依存は危険。十亀剣が好調をキープしている点は頼もしいが、10年ぶりの頂点へ向けて、依然として投手陣が大きな課題であることは明白だ。
103マイル右腕の先発入りなるか
FA移籍した野上の補償選手として巨人から加入した高木勇人も、先発ローテの一角として期待。昨季は不振で1勝に終わった高木だが、ルーキーイヤーの15年には9勝をマークするなど、安定感のある投球は首脳陣の評価が高い。持ち前の“天然ぶり”ですでにファンの心はつかんでいる。オープン戦では古巣相手に先発して7回1失点と好投するなど、2試合で計12イニングを投げて7安打、2失点、防御率1.50。先発ローテ入りが濃厚で、野上を上回る成績を残す可能性もありそうだ。