◎の数は王者レッドと互角、その馬とは? スプリントGI高松宮記念の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 いよいよ春のGIシーズンが到来。その幕開けとなる高松宮記念だが、昨秋のスプリンターズSでレース連覇を達成したレッドファルクスが、王座を防衛するのか。それとも、新王者誕生となるのか。優馬TM(トラックマン)陣の熱い討論が繰り広げられる。

王座譲らぬレッドファルクス その最大の敵となるのは?

短距離王者のレッドファルクス(手前)は順調な仕上りをアピール(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「様々なカテゴリーで席捲している4歳馬が、ここは僅か3頭の出走にとどまっているあたり、スプリント路線の勢力図に大きな変化がないと見ていいと思うが、となると現在の王者であるレッドファルクスが人気となるのも当然だろうな」

中田「昨年のこのレースでは3着に敗れたとはいえ、当時は香港遠征帰りでのぶっつけだったものですし、その一戦以外は負けていない中京で、力の衰えも見られないのであれば、軸は動きませんね」

武井レッドファルクスのここ2走は、ともに捌き遅れての不完全燃焼でしたが、特に前走の阪急杯は、内枠もあって一旦後方まで下げてから外へ持ち出すロスの多い形でしたね。それでいてタイム差なしの3着は、58キロを背負っていたことを考えても負けて強しの競馬だったと言えます。癖をよく知っている相性抜群のミルコ・デムーロ騎手に戻るのも心強い材料ですよ」

佐藤直「さっきデスクも言っていたように、少なくとも昨秋のスプリンターズSから勢力図に変化はないんだし、そこで着差以上の強さを示したレッドファルクスに、逆らう手はないだろ」

田崎「ステップレースを使って本番となるのは、この馬にとっては異例ですが、それが悪かろうはずもないですからね。順調に臨めるのであれば、死角などないですよ」

デスク「ただ、ちょっと引っ掛かるのが7歳という年齢。近年は、高齢の日本馬が馬券になっていないレースだからな」

落合「旧中京と阪神での施行だったとはいえ、キンシャサノキセキのレース連覇は7歳と8歳でのものだし、過去には高齢まで一線級で活躍するスプリンターもいたからな。それ以上に、前走などを見る限りこの馬自身に衰えがないんだから、心配は要らないよ」

デスク「陣営からは何か不安があるという話はないのか?」

坂倉「今回は、暮れの香港を見送ったことで前哨戦を使えたわけですが、“ぶっつけだった昨年とは違って、調整がしやすかったし、最終追いもしっかりと負荷をかけたいい追い切りができた”とのことです。スプリンターズSを連覇しているとはいえ、左回りの方が走りもいい馬ですし、以前から尾関師も“ベストは中京の1200m”と言ってましたからね。敢えて不安な面を探すとすれば、先週あたりの中京で前有利、内有利のレースが続いたことでしょうが、まぁ、この馬には関係ないかもしれませんよ」

デスク「そんなレッドファルクスと、スタッフの◎の数では並んでいるのがファインニードルだな」

小桧山「5歳馬優勢、シルクロードS組強しの傾向ももちろんだけど、坂倉も言っていたように、先週までの中京の芝短距離戦では、勝ち馬に限れば全て4コーナー6番手以内なんだ。そこから、内ラチが移動してのBコースになれば、更に前有利となりそうだし、ファインニードルの先行力を信頼すべきだろ」

山崎ファインニードルは、昨秋のスプリンターズSこそ馬群に沈みましたが、スタート後にごちゃついて、出して行ったら掛かってしまったもので、全くの参考外と言える一戦です。数字通りの太目残りながら完勝した前走からも、GIに手が届くレベルの力があることは確かですし、以前はモタれる面を見せた左回りも、充実した今なら問題はないはずです」

清野「確かに前走は、プラス18キロという馬体重の発表を聞いた時点で“いらないか”と思いましたよね。実際に、先を見据えた仕上げでしたし、それで2着に2馬身差の完勝だったあたり、確かな成長を示したと言えます。勢力図が変わっていないように見えても、今が伸び盛りの5歳馬が一気に頂点を極めて不思議はないはずです」

須藤ファインニードルは、休養して帰ってくるたびに強くなっている印象を受けるんですよ。前走のプラス体重には、そういう成長分も含まれていると思いますし、まだ上積みが見込める点も魅力ですね」

三代川「データでまず注目すべき点は、Bコースで行われるようになったここ2年が、ともに道中4番手の先行馬が勝っていること。また、馬場改修後の6年で連対した12頭中、11頭までが前走で4番人気以内だった馬であり、12頭全てが重賞で5着以内なんです。今回これを満たす馬は意外と少ないんですが、脚質を考えてもファインニードルの出番でしょうね」

デスク「陣営も当然、力が入ってるんだろうな」

細川「今回は前走よりも馬体が絞れての出走となりそうですが、“昨年までとは違って、付くべきところに筋肉が付いている”とのことです。以前は、“枠順などにより力を出せない面もあった”ようですが、そういう幼い面も解消されましたし、とにかく一戦ごとに力を付けてますからね。GIでも勝負になると見ていいでしょう」

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競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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