ソフトBに加入・西田哲朗の決意 日本一のピースになる、どんな役割でも

週刊ベースボールONLINE

楽天時代はシーズン131試合出場の実績を持つ西田。プロ9年目の移籍を機に「ガムシャラに野球をやりたい」気持ちになっている 【写真=湯浅芳昭】

 東北楽天からやってきた、プロ9年目のホークス新入生・西田哲朗が環境の変化で得た多くの気づき。今は純粋に野球を楽しみながら、再びの日本一を目指すチームにハマる“形”を模索している。

 連続日本一を目指すチームだけに、福岡ソフトバンクは充実の戦力を誇る。弱みが生じるとすれば、ケガや故障による主力の長期離脱しか考えられない。2018年のシーズンを前に、内野手ではセカンドのレギュラー筆頭候補・明石健志が腰痛で開幕時の復帰は厳しいというアクシデントこそ襲うも、その備えにも抜かりはない。17年シーズンを終えると、楽天から右打ちの内野手・西田をトレードで獲得。10年ドラフト1位の斐紹(捕手)を交換相手としてまで必要としたピースだ。

ルーキーに戻ったような感覚

 周りを見てみると、さすが日本一のチームだと思わされます。やりやすい環境が整っていて、明るい選手が多く、素晴らしい選手がズラリとそろっていますよね。そんなチームの一員となり、自分も一生懸命野球に取り組めています。周りの選手の良いものをどんどん吸収して、“攻守走”すべてにおいてレベルアップしたいという気持ちでいます。宮崎でのキャンプもやりたいことができた実感があります。

 今年がプロ9年目で、決して若いわけではありません。このチームへの移籍を機に、一からやり直す思いというか、ルーキーに戻ったような感覚で、「もう一度ガムシャラに野球がやりたい」という気持ちになっているんです。正直な話、これまでの取り組みを振り返ると、「もっと頑張ることができたんじゃないか」と思える。それくらい今、一生懸命になれています。

 やりがいも感じていますし、もう一度、1軍の舞台で活躍したいという強い気持ちが湧き出てきています。開幕が近づいていますが、日本一を目指すチームの一つのピースとして、どうやったらこのチームで試合に出て活躍できるのかを考えながら日々を過ごしているところです。

1軍で成功したい気持ちだけ

 工藤公康監督は今春のキャンプで最も目立った選手の一人に西田の名を挙げ、「すべてに対して全力で頑張っている。自分に足りないものを考えて取り入れている」と評価した。新しい環境で存在感を示すために欠かせないアピール。しかし、西田本人の胸にはそのような意識は微塵(みじん)もない。野球に純粋に取り組むのみだ。

 キャンプでは朝のアーリーワークから始まって、全体練習、特守・特打、その後の自分の練習にも考えながら取り組むことができました。それに満足することなく、オープン戦が始まってからも継続して攻守走のレベルアップに努めているところです。だからアピールしている気持ちは自分の中ではまったくなくて、野球に対して純粋に取り組んでいるだけなんです。練習をするのも誰に見せようというものでもなく、1軍で成功したいという気持ちだけです。

 僕自身の感覚としては、まだまだ、このチームの1軍の競争の中に加わっていけるようなレベルではないと感じています。まずはその差を詰められるように、技術を高めていくこと。そうして身についたものを、いかに試合で発揮していけるかが大事だと思っています。

 だから、チームの1ピースになりたいと思いながらも、まだその形が僕の中でも明確になってはいません。僕としては、どこで使われても、必要とされる役割を果たせる選手でいたいと思っています。与えられたところで自分の持っているものを披露しつつ、その中で、レギュラーを目指していけるまでになりたいと思っています。

 ソフトバンクには僕が本職としてきたショートに同級生の今宮(健太)がいて、サードには松田(宣浩)さん、セカンドも本多(雄一)さん、川島(慶三)さんらレベルが高い選手がたくさんいます。いち野球選手としては、その競争に入っていかないといけないですけど、まずはチームがもう一度、日本一に立つために自分が貢献できることを探したり、活躍できる役割を見いだしていかなければなりません。どんなに小さな仕事でもいいので、勝利の一員としていられるようにしたいですね。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント