大谷との対戦が楽しみな同地区のスター 剛腕に期待の若手、意外な経歴の選手も
マリナーズのエースは「キング」
マリナーズの「キング」といえばこの人。通算160勝を手にしているフェリックス・ヘルナンデス 【Getty Images】
そのヘルナンデスが6勝に終わった昨季、チームで唯一2ケタ勝利を挙げたのがカナダ出身の左腕、ジェームズ・パクストン(29歳)。才能はトップクラスと言われながら、故障の多さでなかなかブレイクできなかったが、メジャー5年目にして12勝、防御率も2点台とようやく花開いた。ただし、昨年も2度の故障者リスト入りで規定投球回には届かなかっただけに、今年こそはシーズンを通しての働きが望まれる。
マリナーズ打線の主軸、クルーズ(左)とカノ 【Getty Images】
4番のクルーズと3、4番コンビを組むのが、同じくドミニカ共和国出身の左のスラッガー、ロビンソン・カノ(35歳)。かつてはヤンキースの若きスターとして、松井秀喜とともにプレーしていたのを覚えている方も多いだろう。14年からは総額2億4000万ドル(約255億円)の10年契約でマリナーズに移籍。昨年はオールスター戦で決勝本塁打を放ってMVPになり、シーズンでは二塁手として史上3人目の通算300本塁打を達成した。
異色からレジェンドまでそろうレンジャーズ
04年ドラフトで全体1位指名を受けたブッシュ。その後、紆余曲折合ったが17年は57試合に登板し10セーブを挙げた 【Getty Images】
レンジャーズ投手陣で異色の存在なのが、マット・ブッシュ(32歳)だ。04年のドラフトでは高校ナンバーワン遊撃手としてパドレスからドラフト全体1位指名を受け、鳴り物入りでプロ入りしながら芽が出ず、マイナー4年目には投手に転向。ところが故障やグラウンド外でのたび重なる不祥事でチームを転々とし、12年の開幕前にはひき逃げ事故を起こして実刑判決を受け、“塀の中”に送られてしまう。それでも出所後、レンジャーズとマイナー契約を結び、16年5月に30歳でメジャーデビュー。昨年は一時期、抑えに回り、チーム2位の10セーブをマークした。セカンドチャンスを大事にする米国らしい話ではあるが、日本ではおよそ考えられないことだろう。
昨季はメジャー30球団中3位の237本塁打を放つなど、ホームランバッターぞろいのレンジャーズ打線にあって、41本でチームトップ(リーグ3位)だったのがジョーイ・ガロ(24歳)である。左打席からの強烈なアッパースイングで、ツボにはまればどこまでも飛ばすが、穴も多く三振はリーグ2位の196。「一発か三振か」という打線を象徴する選手と言えそうだが、選球眼は良く打率2割0分9厘ながら出塁率はチーム3位の3割3分3厘だった。
17年7月に史上31人目の通算3000安打を達成したレンジャーズのベルトレ 【Getty Images】
アスレチックでは若手野手に注目
2年連続40本塁打をマークしているアスレチックスの主砲デービス。 【Getty Images】
一方、リリーフ陣でカギを握ることになりそうなのが、抑えのブレーク・トライネン(29歳)だ。もともとは11年ドラフトのアスレチックス7巡目指名で、13年1月のトレードでナショナルズに移籍。昨季はクローザーとして開幕を迎えながら、結果を残せずに中継ぎに配置転換されたが、7月のトレードでアスレチックスに復帰されると再び抑えを任され、13セーブを挙げた。時に100マイル(約161キロ)に達する高速シンカーは威力十分だが、性格的に抑えには向いていないとの評価もあるだけに、今年は真価が問われるシーズンになる。
打線は今年も指名打者のクリス・デービス(30歳)が主役。16年にブリュワーズからトレードで移籍すると、投手有利と言われる球場を本拠地としながらも、2年連続40本塁打以上とパワーを発揮した。昨季の195三振は先に紹介したガロに次ぐリーグ3位で、同じ「一発か三振か」タイプながら逆方向にも一発を打てるのが強み。今季は、現在の本拠地に移転する前の時代も含め、球団史上2人目の3年連続40発を狙う。オリオールズに日本語表記では同姓同名のパワーヒッターがいるが、クリスのスペルが「CHRIS」。こちらは「KHRIS」だ。
昨季は後半戦だけで14本塁打を放ち、さらなる飛躍が期待されるアスレチックスのチャプマン。肩の強さにも定評がある 【Getty Images】