球団数は? マイナーとは? ルールは? MLB入門編<その1>
球団数は日本の2.5倍
米国に29球団、カナダに1球団、全30球団で構成されるMLB。オールスターにはその中のトップ選手が集う 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
この問いに即座に答えられるのは、MLBについて少なからずご存じの方だろう。今回のコラムは、むしろそうでない方に読んでいただきたい。いわば「MLB入門編」だ。
そもそも、メジャーリーグはなぜ「MLB」と呼ばれるのか? それは「MAJOR LEAGUE BASEBALL」というのが正式名称だからだ。しばしば「BIG LEAGUE」とも呼ばれ、古くからある「大リーグ」という呼び名は、この別称から来ていると言われている。
MLBの誕生は今から140年以上も前の1876年、ナショナル・リーグ(ナ・リーグ)の創設にさかのぼる。それ以前にもプロリーグは存在したが、現在も続くこのリーグこそがMLBの元祖である。その後、1901年にアメリカン・リーグ(ア・リーグ)が発足し、2リーグ制が確立した。その時点では両リーグ8球団の計16チームに過ぎなかったのが、61年に最初のエクスパンション(球団数拡張)を皮切りに計6度の拡張を行い、今では全30チームとほぼ倍増。全12球団の日本プロ野球(NPB)と比べ、2.5倍の数になる。
その間、全24球団となった69年には両リーグで東西の2地区制、全28球団となって2年目の94年からは東・中・西の3地区制が導入され、現在は両リーグとも各地区に5球団ずつを配している。今年から大谷翔平が入団したエンゼルスは、61年のア・リーグ加盟時から西海岸のロサンゼルスを拠点にしており、地区制導入後は常にア・リーグ西地区に所属している。
7階層の頂点に位置するメジャーリーグ
したがって各球団ともメジャー、マイナー合わせて抱える選手の数はおおよそ200人前後。そのうちメジャーリーグ登録の選手は基本的に40人で、試合に出られるのは通常はその中の25人だけなので、メジャーリーガーとしてプレーする選手はまさに「選ばれし者」と言っていい。
もっとも、メジャーに上がるまでの過程は選手によってさまざま。87年にはヤクルトでもプレーしたボブ・ホーナーのように、ブレーブスからドラフト全米No.1で指名された後、即メジャーでプレーしていきなり新人王になった選手もいるが、これはあくまでレアケース。多くの選手はマイナーリーグで段階を踏んで、メジャーリーグの檜舞台を目指すことになる。
2015年限りで千葉ロッテから戦力外通告を受けた中後悠平の場合は、翌16年にダイヤモンドバックスとマイナー契約を結び、ルーキー級からスタート。その後は1Aに昇格すると、そこから一気に3Aまでステップアップしたがメジャーには届かなかった。昨年も2Aで好成績を収めて3Aまでは上がっているだけに、今年こそメジャーリーグでのデビューが期待される。