阪神の成長株・才木浩人が語る未来「将来は奪三振王を狙える投手に」

週刊ベースボールONLINE

あどけなさが残る才木だが、昨年の1軍登板が分岐点となり、今まで以上の高い目標で日々練習に取り組んでいる 【写真=小山真司】

 189センチの長身から投げ下ろす角度のある150キロ台の真っすぐを武器に次々と空振りを奪う強気の投球で開幕先発ローテ入りを目指す阪神・才木浩人。今季20歳になる高卒2年目の長身投手が阪神キャンプで今、注目の的になっている。

真っすぐの質を上げていきたい

 宜野座キャンプの実戦で投げるたびに好成績を残し、いまやマウンドに上がればファンから歓声が上がるまでの存在感を見せ始めた。角度のある腕の振りから放たれる真っすぐに、打者のバットは空を切る。投球フォーム自体に勢いもあり、内角も平気で突ける強気な投球スタイルにも魅力を感じる。だがそこに満足せず、さらに完成度の高い投球フォーム作りを目指している。

──高卒2年目で1軍のキャンプを走り抜けようとしていますね。

 ケガもなくここまで来ています。すごくいい感じで来ています。

──投球の中で一番意識していることは何でしょうか。

 真っすぐの質を上げていきたいという気持ちがすごく強いです。ただ、自分から意識して、角度をつけようとして投げると、投球フォームのバランスを崩してしまうと思っています。質を上げようとする中で、ボールの出所での角度は勝手につくと思っています。

──投球フォームの中でどういう部分を意識すれば、ボールの質は上がるのでしょう。

 一番は、左足を上げて1本足で立ったときから、リリースまでのバランスをしっかり意識することだと思います。そこにムダな動きや、入れたらいけない力などを入れないように、スムーズに一連の流れで投げるような感じで、リリースまで行きたいと思っています。

──その意識はブルペンの中で行っているのでしょうか。

 そこはキャッチボールの段階からです。ここからしっかり投げていかないと身に付かないと思っているんです。

──現在の投球フォームは、少し二段モーションに近い形になっているようですが。

 投球フォーム自体は昨年と変わっていません。少しそういう感じがもともとありました。ただ昨年1年間、審判の方に注意をされたりしていませんので、大丈夫だと思います。やはり投球フォームは高校のときと比べると変化しています。現在の投げ方のほうが成長している感じがしていますし。

長い腕がうまく使えると武器になる

長身を生かし、左腕と右腕のバランスを考えて出来上がった投球フォーム。自然と角度のあるリリースが生まれ、スピンの効いた真っすぐで三振を奪っている 【写真=小山真司】

──どの辺りが一番変わったのでしょうか。

 僕は身長(189センチ)があり、手が長い分、左手を扱いにくい部分があるんです。左手にムダな動きなどが入った中で投げたりすると、体が開いてしまうことがありました。長い腕というのはリスクが大きいとは思うのですが、これがうまく使えるようになると大きな武器になるのかな、と思っています。ただ、今のところその悪い部分が出ることが投球の中であります。

──もともと自分の欠点は、体が早く開き過ぎるということだったのでしょうか。

 はい、そうですね。それと同時に、腕が長いことで右腕がトップの位置まで早く上がってこないこともあるんです。それによって右腕を意識的に早く上げようとして、上半身が一塁側のほうへ流れ、倒れることによって体が開いていくという感じでした。つまり、体を振ってしまう形で投げるので体が自然と開いてしまっていたんです。

──右腕をうまくインサイドアウト的な感じで使って投げるという意識があるということですね。

 そこまで細かくは考えていませんが、今の投球フォームの流れの中で、勝手に右腕がスムーズにトップの位置に早く来てほしいな、と思いながら左腕を意識しています。

──左腕と右腕は連動している、と。

 はい。僕はそうだと強く感じています。例えば左腕とグラブを素早くワキの下に引くことで、右腕がスムーズにトップの位置に入りやすくなります。

──ブルペンで投げているとき、投げ終わった後に、一塁側に体が流れることもありました。

 そうですね。それはうまく連動しておらずに、体が横ぶりになっているときです。多分、左腕のグラブを一塁側方向へ引いてしまっているのだと。そうなると体が一塁側に流れているな、と感じます。一方で、左腕とグラブが自分の体の中、懐に収まってくれる感覚だと体のバランスがよくなっていくのを感じます。

──2月11日の横浜DeNA戦(宜野座)での投球(3回無安打無失点5奪三振)はその課題がクリアできていたのでしょうか。

 はい。まあまあ、まとまっていたほうでした。でも自分の投球スタイル自体の完成までにはまだまだです。個人的にはもっと体を大きくしていきたいです。成長途中だと思っていますので。

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