工藤監督が「もう1頂!」に込めた想い 鷹詞2018〜たかことば〜

田尻耕太郎

内川「去年の優勝は関係ない」

キャプテンの内川は「去年の優勝は関係ない。また今年は、今年のホークスの形で日本一を取りに行かないといけない」と力を込めた 【写真は共同】

 監督からのメッセージを選手たちもしかと受け止めていた。キャプテンの内川はまずスローガンについて、「周りの方は『連覇』と言ってもらえるけど、前年に優勝した結果的に生まれる言葉だと思います。今年が始まってしまえば、去年の優勝は関係ないんです。監督が声に出してくれたし、選手も全員そういう気持ちだと思います。また今年は、今年のホークスの形で日本一を取りに行かないといけない」と力を込めた。

 新たに選手会長に就任した柳田はレギュラーに指名された一人だが、「みんなレギュラーになりたいと思っている。ちょっとでも隙を見せるとイカれる。しっかり気を引き締めてやりたい」と油断の欠片も感じさせない。

もう1回、頂点を目指して一致団結

 3月1日まで宮崎で翼を鍛え上げた若鷹軍団。レギュラーの定まっていない捕手に故障者が出て、現在プレーできる1軍経験者は甲斐拓也のみという心細い状況にはなっているが、工藤監督は「その点は残念だったけど、順調なキャンプだったと思います。苦しいキャンプをみんなよく頑張ってくれた。あと1カ月、追い込むところはしっかりと追い込んで、もうワンランク上の段階で開幕を目指してほしい」と振り返った。

 レギュラー格では松田、柳田には実戦形式で一発が飛び出した。真のエースへさらなる成長が期待される千賀は2月24日の紅白戦こそ2回5失点と炎上したが、全体的にフォームがバランス良くまとまっており「プロに入ってから一番充実したオフを過ごした」と自信を持っている。もう一人の主戦格の東浜はキャンプ序盤こそフォームが定まらず険しい表情を浮かべる日が多かったが、27日の千葉ロッテとの練習試合ではほぼ完ぺきに近い投球を見せた。きっちり仕上げてくるあたりは流石の一言に尽きる。

 ソフトバンクのナインは戦い方、勝ち方を知っている。大人の集団だ。もう1回、頂点を目指し、一致団結して登り続ける。

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著者プロフィール

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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