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工藤監督が「もう1頂!」に込めた想い
鷹詞2018〜たかことば〜

独断で決めた今年のスローガン

「もう一度みんなで力を合わせて、1つになって優勝を取りに行く」という意味を込めて今年のスローガンを「もう1頂!」に決めた工藤監督
「もう一度みんなで力を合わせて、1つになって優勝を取りに行く」という意味を込めて今年のスローガンを「もう1頂!」に決めた工藤監督【写真は共同】

「『連覇』はNGワードとしたので、ホームページに原稿を書く時はよろしくお願いしますね」


 福岡ソフトバンクのチーム広報から連絡が来たのは1月のことだった。筆者は球団公式サイトに試合や会見のレポートなどを寄稿している。今年目指すものは……単純明快かつこれ以上ない表現であるその二文字を当然のように多用していた。


 しかし、1月13日、今シーズンのスローガンが発表されると、風向きが一気に変わったのだった。


「もう1頂!」


 読み方は、「もういっちょ」だ。お披露目の会見には工藤公康監督が出席し熱弁をふるった。


「昨年は優勝、日本一を果たしましたが、もう一度みんなで力を合わせて、1つになって優勝を取りに行く。『連覇』ではなく、1つ1つの積み重ねだと思っています。苦しい時も心を一つに、ファンの皆さんと一つになって戦いたい」


 連覇ではない――指揮官はそれを何度も強調した。


 その本気度はスローガン決定のプロセスからもひしひしと伝わってきた。例年は事前に複数の候補が監督に提示され、その中から選ぶというスタイルだった。しかし、今年の「もう1頂!」については工藤監督が「ほぼ独断で」決めたという。また、日本一を奪回した昨年の「1(ワン)ダホー!」の思いを継承することにも強くこだわった。「みんなが1つになる強い数字」のデザインはさらに力強さを加えたものに“進化”させた。

キャンプ前に異例のレギュラー発表

 ある意味、異例のスタートとなった今年のソフトバンクだったが、2月のキャンプ前にはこれもまた、あまり例を見ない工藤監督の発言に驚かされた。


 チーム全体のミーティング会場の壇上で「レギュラーが確定している6名」と断言して名前を読み上げた。ファースト内川聖一、サード松田宣浩、ショート今宮健太、レフト中村晃、センター柳田悠岐、指名打者デスパイネ。そして先発ローテについても「5人は決まっている」と明言。具体名は明かさなかったが、キャンプ途中に開幕投手に指名した千賀滉大をはじめ東浜巨、和田毅、バンデンハーク、武田翔太であることは間違いないだろう。


 大抵の場合、横一線だといった言葉を使って競争をあおる。しかし、それは建前に過ぎない。選手たちが一番よく分かっている。敢えて本音をぶつけたのだ。「レギュラーに指名した人たちにはしっかりとした自覚を持ってほしい」と工藤監督はその狙いについて説明した。そのうえで「残るポジションは競争。奪わないといけない人は、しっかり準備をして結果を残してほしい」と特に若い選手たちへハッパをかけた。

田尻耕太郎
田尻耕太郎

 1978年8月18日生まれ。熊本県出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。2002年卒業と同時に、オフィシャル球団誌『月刊ホークス』の編集記者に。2004年8月独立。その後もホークスを中心に九州・福岡を拠点に活動し、『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)『週刊現代』(講談社)『スポルティーバ』(集英社)などのメディア媒体に寄稿するほか、福岡ソフトバンクホークス・オフィシャルメディアともライター契約している。2011年に川崎宗則選手のホークス時代の軌跡をつづった『チェ スト〜Kawasaki Style Best』を出版。また、毎年1月には多くのプロ野球選手、ソフトボールの上野由岐子投手、格闘家、ゴルファーらが参加する自主トレのサポートをライフワークで行っている。

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