【DDT】石川&関本が前哨戦勝利で「とんぼ」熱唱 3.25両国大会のカード発表でサプライズ

高木裕美

石川、関本組がパワーで圧勝

前哨戦で勝利した関本(左)と石川(右)が「とんぼ」を大熱唱 【写真:前島康人】

 25日のDDTプロレスリング「Into The Fight 2018」東京・後楽園ホール大会では、満員となる1220人を動員。いよいよ1カ月後に迫った3.25東京・両国国技館大会に向け、聖地が熱狂に包まれた。

 メインイベントでは、3.25両国でのダブル前哨戦として竹下幸之介&HARASHIMA組vs.石川修司&関本大介組が激突。KO−D無差別級王座を争う竹下と石川、KO−Dタッグ王座を争うHARASHIMAと関本が肉弾戦を展開し、「D王 GRAND PRIX 2018」優勝で勢いに乗る石川が王者・竹下にピンフォール勝ち。試合後は石川、関本が仲良く肩を組み、長渕剛の「とんぼ」を熱唱した。

 体格で勝る石川、関本組は終始パワーで圧倒。石川が竹下に32文フットスタンプをお見舞いすれば、関本もHARASHIMAをアルゼンチンバックブリーカーで担ぎ上げる。さらに関本はHARASHIMAのキックに対しエルボーで互角以上のダメージを与え、竹下には連係の串刺しラリアットを炸裂する。15分過ぎには石川のラリアットが関本に誤爆するアクシデントが起こるも、石川は冷静にHARASHIMAの蒼魔刀をかわして自爆を誘うと、復活した関本と共に眉山を敢行。孤立した竹下に石川がカミゴェ、ランニングニーをかますと、さらにファイヤーサンダー、スプラッシュマウンテンとたたみかけて3カウントを奪取した。

 試合後、DAMNATIONのメンバーと共にリング上を占拠した石川は「竹下は確かに強いけど、3月25日の結果も今日と同じ。オレが新しいチャンピオンとして全盛期を迎えたい」と王座奪取を予告。さらには、前回1.28後楽園大会で好評だった星野源の「恋」に続き、今回も歌&ダンスを披露しようと、DAMNATIONリーダーのカリスマ・佐々木大輔におねだりすると、困惑した佐々木は、関本に「困ってるんですよ」と助けを求めるが、これに対し関本は「バカ野郎! 歌とか踊りって、ここはプロレスの聖地だ。ふざけんのもいいかげんにしろ」と、石川ではなく、佐々木に向かって激高した上で、「それでは聴いてもらいましょう。関本大介で『とんぼ』」と、自分から歌フリ。マッド・ポーリーがサングラスをかけてエアギターを奏でる中、関本、石川で交互に歌い上げ、サビでは肩を組んで熱唱。すっかり満足げな石川は「この調子で、両国もオレが歌って、ポーリーが踊って締めます」と、両国の大舞台でも歌謡オンステージを予告した。

丸藤が貫録勝ち 両国のタッグ戦に自信

丸藤が樋口に貫禄の勝利。タッグ王座防衛に自信 【写真:前島康人】

 3.25両国大会の前哨戦として行われた丸藤正道vs.樋口和貞のスペシャルシングルマッチでは、丸藤が貫禄勝ちを収めた。

 プロレスリング・ノア所属の丸藤は、今年8月でデビューから丸20年。記念イヤーを飾るべく、3月にはノアの「GLOBAL TAG LEAGUE 2018」に小峠篤司とのタッグでエントリーすると、4月には古巣・全日本プロレスの「チャンピオン・カーニバル」に初出場するなど、精力的に活動中だ。

 両者は両国でKO−D無差別級王座を賭けて対戦(丸藤&HARASHIMA組vs.関本&樋口組)。大相撲出身の樋口は、丸藤の武器である「胸を切り裂く鋭い逆水平チョップ」に対抗し、相撲仕込みの重さのあるチョップで対抗。しかし、丸藤は体格差をモノともせず、エプロンでのパイルドライバーやフロムコーナートゥコーナー、キックのコンビネーションといった軽やかな動きを見せつけると、樋口の渾身の頭突き、ぶちかまし、ラリアットもクリア。丸藤はトラースキック、虎王をカウント2で返されると、コスチュームをめくり、生のヒザをムキ出しにしての虎王でフィニッシュ。キャリアとテクニックの差を見せつけ、両国でのハラシマルフジV6に揺ぎない自信を示した。

勝俣が殻を破るハードコア戦に挑むも撃沈

勝俣がハードコア戦で持ち込んだのは画びょう 【写真:前島康人】

「ハードコア+αマッチ」として行われたDDT EXTREME級選手権試合では、王者・宮本裕向が勝俣瞬馬を下して2度目の防衛に成功。だが、自ら宮本の土俵に踏み入れ、画びょうまみれになりながらも奮闘した勝俣に大きな拍手が送られた。

 かつては地元・広島の特攻隊長であった宮本は、怖いもの知らずな特攻精神と、その経歴を生かしたヤンキーキャラで様々な危険な戦いに身を投じ、大日本プロレスのBJWデスマッチヘビー級王座や、超花火プロレスの爆破王などに君臨。あらゆるシチュエーションでのデスマッチやハードコアマッチに挑んできた。

 対する勝俣は、幼少期は男性アイドルにあこがれ、16年からはアイドルユニット「NωA」を結成。その愛らしいルックスにより、女性ファンから黄色い声援を受けていたが、今年1.29後楽園をもって、約2年間の活動にピリオドを打ち、解散。いわゆる芸能人が「アイドル」という殻を破るべく、舞台に出演したり、大胆な濡れ場に挑んだりするように、勝俣も新たなチャレンジの舞台として宮本の持つベルトに狙いを定め、同王座への挑戦権を得るべく、ハードコアの門をたたいた。

「ハードコア+αマッチ」の「+α」として、宮本が選択したアイテムが有刺鉄線バットなのに対し、勝俣はあえて画びょうをチョイス。その並々ならぬ覚悟を示すかのように、試合開始早々、シンガポールケインで宮本をメッタ打ちにする。だが、宮本も立てかけたラダーめがけてブレーンバスターで投げつけると、さらに一斗缶で殴打し、画びょうを勝俣の口の中にブチ込んで思い切りパンチ。しかし、勝俣も有刺鉄線バットで殴り、テーブルへの雪崩式フランケンシュタイナーを敢行。さらに、ダウンした宮本に画びょうのシャワーを浴びせ、決死のムーンサルトプレスを狙うが、かわされて画びょうの海へと墜落。宮本は画びょう上へのサンダーファイヤーパワーボムを繰り出すも、勝俣はカウント2ではね返し、カサドーラ、フットスタンプと意地を見せる。しかし、宮本も捨て身のローリングクレイドル、ファイヤーサンダーからのムーンサルトプレスで振り切った。

梅田が酒呑童子離脱&ベルト挑戦表明

梅田(中央左)が酒呑童子離脱&ベルト挑戦表明し、阪口はそれに応じる 【写真:前島康人】

 KO−D6人タッグ選手権試合では、王者組である酒呑童子のKUDO&坂口征夫&高梨将弘組に、プロレスリングBASARA・騎馬隊の関根龍一&中津良太&阿部史典組を下し2度目の防衛に成功。次期挑戦者には、酒呑童子からの離脱した梅田公太が、上野勇希&竹田光珠との合体を表明し、両国で“恩返し”のベルト奪取をアピールした。

 BASARAからDDTの本丸に乗り込んできた騎馬隊は、3人同時に逆エビ固め、お卍固め、ワキ固めを決めるなど、気合爆発。中津は坂口とキック合戦を繰り広げると、神の右膝をかわしてハイキック、ジャーマンスープレックスから回転十字架固めを狙うが、坂口に腕極め三角絞めで捕獲され、あえなくタップした。

 試合後、「両国での挑戦者がいない」と嘆く酒呑童子に対し、若手の上野、竹田が名乗りを上げると、残る1人に立候補したのが、同じ酒呑童子の梅田。坂口が「立派になったな。その心意気は買うよ」と上から目線でいなすと、梅田は「今日限りで酒呑童子、辞めさせてもらいます」と宣言。「ケガで長期欠場し、居場所を作ってくれた酒呑童子だけど、このままでは四番手のまま。恩返しでベルトを獲って、楽しませてやるよ」と、師匠超えを誓った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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