宮原と坂本の表彰台入りは可能か?
安藤美姫が平昌五輪の女子SPを解説
「宮原選手は気持ちのコントロールの部分で自分に集中していた」と安藤さん
「宮原選手は気持ちのコントロールの部分で自分に集中していた」と安藤さん【Getty Images】

 平昌冬季五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)が21日に行われ、宮原知子(関西大)が自己ベストの75.94点(技術点40.25点、演技構成点35.69点)で4位、坂本花織(シスメックス)も自己ベストの演技を見せ、73.18点(技術点40.36点、演技構成点32.82点)で5位スタートとなった。


 宮原、坂本ともに3本のジャンプをきれいに決めるノーミスの演技を披露。表彰台入りも十分狙える位置につけた。


 首位は、世界最高得点となる82.92点をマークしたアリーナ・ザギトワ。2位には81.61点でエフゲーニャ・メドベージェワ(共に個人資格(ロシア))、3位には78.87点のケイトリン・オズモンド(カナダ)が入った。


 この女子SPの結果を受けて、2007年と11年の世界選手権を制し、06年トリノ大会、10年バンクーバー大会と2度の五輪に出場した安藤美姫さんに各選手の演技を解説してもらった。

宮原選手は自分に集中していた

「スピンや表現力やジャンプのつなぎのところで魅せる」演技で、4位スタートとなった宮原
「スピンや表現力やジャンプのつなぎのところで魅せる」演技で、4位スタートとなった宮原【Getty Images】

 女子全体としては、第1グループから3回転+3回転が見られるようになったので、レベル的にも上がっている印象を受けました。あとは各国とも新しい代表選手が多いなと感じたので、そういう意味ではとても新鮮な五輪だと思います。


 そんな中で、日本から出場した宮原選手は自己ベストを更新して4位につけました。最初から、スケーティングを見てもジャンプを見ても落ち着いていたように感じましたので、そういうところはさすがですし、世界選手権のメダリストであるということで、気持ちのコントロールの部分で自分に集中していたのかなと思います。


 ジャンプについてはGOE(出来栄え点)でさほど加点はついていませんが、団体戦や今季の試合では回転不足が取られていた中、本番で修正してきたところは良かったと思います。ただ、カロリーナ・コストナー選手(イタリア)は3回転+3回転のセカンドが2回転になり、3回転ループも手をついたにもかかわらず、宮原選手とは2.79点差しかありません。


 コストナー選手は3回転+2回転でもプラスがついたり、他のところで評価が高い。宮原選手もそういう部分で加点がついてくると強みになってくると思います。とはいえ、5コンポーネンツやスピン、表現力の部分でGOEが高かったため、今回の点数につながりました。宮原選手はジャンプで魅せる選手ではなく、スピンや表現力やジャンプのつなぎのところで魅せる選手です。そういう意味でジャンプだけではなく、スピンやつなぎの部分を見ていただけると、宮原選手の良さが感じられると思います。

22日の過ごし方がカギになってくる

坂本はSPでは自己ベストを更新し、5位からフリーに臨む
坂本はSPでは自己ベストを更新し、5位からフリーに臨む【写真:ロイター/アフロ】

 宮原選手と同じく自己ベストを更新し、5位につけたのが坂本選手です。団体戦に出ていたこともあり、とてもリラックスして自分の気持ちと向き合い、集中していたように感じました。ただ、いつもに比べるとダイナミックなジャンプではなかったかもしれません。慎重にすごく丁寧に滑っているように見えましたし、ジャンプは大きかったのですが、普段よりは少し小さかったように思います。とはいえ、大きな緊張をきちんとコントロールして、集中した良い緊張を持って臨んだ姿勢は見られました。フリーではいつもの坂本選手らしいダイナミックな演技が見られるのではないかと期待ができるSPでした。


 初出場の五輪であのような演技ができるのは本当に素晴らしいことです。気持ちの面でも、全日本選手権から五輪の間で、とても成長しているのではないかと感じました。


 日本の2選手が表彰台に近づくためには、とにかく自分らしい演技をすることです。1日空くので、まずはそこでリラックスして、またフリーの日に集中力を高める形に持っていくことが大事です。明日も明後日も集中すると緊張の方が勝ってしまうこともあるので、1日しっかりリラックスして、自分のペースで時間を過ごしてほしいと思います。試合で最も集中が高ぶるように、2選手が調整ができたら表彰台も近づいてくると思いますので、ただ応援するのみです。いずれにせよ、明日(22日)の過ごし方がカギになってくると思います。

構成:スポーツナビ

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