ロシア勢の強さは徹底的なルール理解 小塚崇彦の選手解説<女子編>

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女王メドベージェワをはじめとしたロシア勢の強さは徹底したルール理解にある 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 平昌五輪のフィギュアスケート女子シングルが2月21日と23日に行われる。日本からは宮原知子(関西大)と坂本花織(シスメックス)の2選手が出場。自身初となる夢舞台に立つ。

 女子シングルは現在、エフゲーニャ・メドベージェワやアリーナ・ザギトワらロシア勢の強さが際立っており(平昌五輪は個人資格で出場予定)、そこにどこまで割って入れるかが焦点となる。日本の2選手に加え、ケイトリン・オズモンド(カナダ)やベテランのカロリーナ・コストナー(イタリア)らがメダル候補となってきそうだ。

小塚さんにフィギュアスケート女子シングル有力選手の特徴を聞いた 【写真:坂本清】

 前回のソチ五輪に続きロシア選手が頂点に立つのか。バンクーバー五輪で8位入賞した経験を持つ元フィギュアスケーターの小塚崇彦さんに、メダルを争う有力選手の特徴を解説してもらった。

宮原のにじみ出る感情、坂本の勢いに注目

宮原のパーフェクトな演技、そしてにじみ出る感情を楽しんでほしい 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 宮原選手の優れている部分は、とにかくミスをしないこと。しっかりとパーフェクトな演技をしてくるところがもともと、一番の持ち味だと思います。ただ、パーフェクトな演技をした上でどれだけ点数を伸ばしていけるかが彼女の課題であり、今後の目標だと考えています。ジャンプ、スピン、ステップとさらに加点をもらえるようにする。でもケガをして、つらい思いをしたこともあり、フィギュアスケートらしさがすごく増した感じがします。スケートを滑れる楽しさなど表現面で、いろいろな感情が見えてくるようになった。昨年12月の全日本選手権や、その前のスケートアメリカを見ても、彼女の中で気持ちが変わる瞬間があったのではないでしょうか。

 五輪で注目したいのは、ジャンプはもちろんですけど、スピンやステップのポジションなど細かい技術的な部分、それに加えて今季備わった感情の部分です。身長は150センチほどとあまり大きくないですが、体を目いっぱい使って表現をする。それもただ表現をしているだけではなく、内面から感情がにじみ出てくる。それを感じてもらうことが、彼女のスケートを見る上での楽しみ方だと思います。

坂本の魅力は何と言っても勢いのあるダイナミックなジャンプだ 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 坂本選手はやはりジャンプに目がいきます。ジャンプをまとめるのではなく、高いレベルで跳んでくるのがプラス要素です。そのジャンプも含めて勢いがある。だからこそジャンプも華やかで、ダイナミックな印象を受けるのだと思います。滑りの方では、少しでも萎縮してしまうと彼女の良さが失われてしまう。五輪を意識すると緊張してしまうと思いますが、全日本選手権では緊張した中でも、フリーの最終滑走でしっかりと演技をしました。五輪ではショート、フリーともに全日本のショートのような勢いを持続させるかによって、いろいろ見えてくるものもあると思います。本当に勢いのあるジャンプを跳びますし、何よりも今ノッている選手です。五輪だからと言って委縮することなく思い切ってやってもらいたいです。

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