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ダルビッシュ争奪戦はカブス入りで決着
現実になったエプスタイン社長の“確信”
カブス入団会見に臨むダルビッシュ(写真右)。左で笑顔を見せるのはエプスタイン社長
カブス入団会見に臨むダルビッシュ(写真右)。左で笑顔を見せるのはエプスタイン社長【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】

 午前10時前にカブスのキャンプ施設に着くと、すでに多くのメディアが正面玄関前に集まっていた。地元メディアの数は日本メディアを上回り、記者の数もテレビカメラの数もテキサスやロサンゼルスとは比較にならない。カブス人気が、こんなところでも垣間見える。


 もちろん、彼らが待っていたのは、10日(現地時間)にカブスと合意したと伝えられたダルビッシュ有である。その時点で、まだ契約したという正式発表はなかったが、カブスの広報が「12時から何らかの会見を行う」と発表し、普通に考えればそれが、ダルビッシュの入団会見と捉えて間違いなかった。


 午前10時半過ぎ、ダルビッシュがスコッツデールで行われている北海道日本ハムのキャンプに顔を出しているという情報が流れたものの、少しして、「あと30分ほどで来る」とカブスの関係者が明かすと、午前11時には、10台近いテレビカメラが正面玄関前に並ぶ。


 黒塗りのSUVが駐車場に滑り込んできたのは、それからすぐのこと。シャッター音が鳴り響く中、正面玄関に近い駐車スポットに車が止まったが、降りてきたダルビッシュが別の入り口へ向かったため、カメラマンらが一斉に移動。そのとき、カメラの前を横切るなという怒号も聞こえ、ちょっとしたパニックだった。


 その後、“入り”を見届けたメディアは、会見が行われる小さなメディアのワークルームへ。12時の会見開始時には、そこがぎっしりと埋め尽くされた。ダルビッシュが6年総額1億2600万ドルの契約を結んだチームは、かくも注目度が高いのである。

マメな連絡で契約にこぎつけたカブス

会見場となったワークルームはぎっしりと埋め尽くされた。ここからもダルビッシュへの注目度の高さ、カブス人気がうかがえる
会見場となったワークルームはぎっしりと埋め尽くされた。ここからもダルビッシュへの注目度の高さ、カブス人気がうかがえる【丹羽政善】

 さて、11番のユニホームに袖を通してから始まった質疑応答。まず聞かれたのは、「なぜ、カブスなのか?」だった。それに対してダルビッシュは、こう答えている。


「他のチームもそうだったんですけど、凄くカブスが誠意を持って交渉してくれた。また、すごく皆さんが……エプスタイン(社長)を含め素晴らしかったので、ここだと、家族も安心して過ごす事ができるなと思いました」


 その誠意をどこで感じたのか。それは、マメな連絡に尽きたよう。


「(エプスタイン社長が)ジョー(ウォルフ、代理人)とも一番細かく連絡を取ってくれていた。最初から最後までずっとそういう感じで、『凄く欲しい』と言ってくれていた


 ダルビッシュが通訳なしで、カブスとの交渉に望んだことを明かしたのは昨年12月18日のこと。もちろんその前のウィンターミーティングなどで、代理人とカブスは意見を交わしあった。


 1月に入ると、ダルビッシュは毎日のように代理人と電話で話し、徐々に絞り込んでいく。そんな中でもちろん、ダルビッシュは代理人から、カブスが毎日のように連絡してくることを伝え聞く。自ずと距離が近くなったが、代理人もカブスという組織を高く評価し、決断をアシストした。


「僕は、ジョーのことを凄い信頼しているんですけど、ジョーはカブスがいいと、去年の(トレード)デットラインの時から言っていた。そしてこのオフシーズンもずっと言い続けていた。それでどんどんイメージが良くなっていった。元々、悪いわけじゃないんですけど、良かったのがもっと良くなった」

丹羽政善
1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米し、インディアナ州立大学スポーツマーケティング学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。

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