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那須川「僕が最強でいいですか?」
タイからの難敵下して連勝伸ばす
2014年デビュー以来、最強の相手と言われたスアキムに判定3−0で勝利した那須川(左)
2014年デビュー以来、最強の相手と言われたスアキムに判定3−0で勝利した那須川(左)【中原義史】

 KNOCK OUT今年の第1戦となる「KNOCK OUT FIRST IMPACT」が12日、東京・大田区総合体育館で開催された。


 2014年7月のデビュー以来、キックだけでなく総合格闘技も股にかけ連勝街道をひた走る那須川天心(現在プロ28連勝)、18年最初の相手はタイのスアキム・シットソートーテーウ。本来那須川と同じスーパーバンタム級でありながら強すぎて相手がおらず、2階級上のスーパーフェザー級王者と試合が組まれるもこれをノックアウト。“神童キラー”のキャッチフレーズにふさわしい、那須川史上最強の相手が用意された。

強敵相手に大技繰り出す

那須川は10センチの身長差ながらも側転蹴りなどの大技を繰り出していった
那須川は10センチの身長差ながらも側転蹴りなどの大技を繰り出していった【中原義史】

 スアキムは172センチ、那須川は162センチと身長差の目立つ両者だったが、1Rからスアキムが右ミドルを打ち込んできても那須川はすぐにパンチをリターン。その返しも左クロス、ボディフックと打ち分けつつスピードがあり、スアキムに右ミドルを出しにくくさせる。リーチを生かしたパンチでスアキムが来ても、那須川は序盤からパンチがよく見えており、左フックには右フックといった具合でほぼカウンターを合わせていく。


 2R、ミドルで攻めよらんとするスアキムだが、那須川はボディストレートを突き刺し、さらに前蹴りでも追撃し、スアキムの圧力を削る。那須川は右ボディフック、顔へのストレートとスキの見極めと技の選択が高速かつ正確で、強敵を相手にしながら跳びヒザ、側転蹴りといった大技もいつもと変わらず繰り出して見せる。


 3R、右ミドルを攻撃の起点にするスアキムだが、那須川はこれを受けて手で流し、そこから左ロー、左ストレートと変化に富んだ攻撃を返す。パンチを繰り出してもやはり那須川にカウンターを合わされるため、スアキムはラウンド中盤から圧力を増して距離を潰しに出る。

目立ったパンチスキルの高さ

当て勘・予知力・技の判断力を含めた那須川のパンチスキルの高さが勝因につながった
当て勘・予知力・技の判断力を含めた那須川のパンチスキルの高さが勝因につながった【中原義史】

 だが前に来るスアキムに対し、那須川は4R以降もフットワークを駆使して捕まらない。スアキムが組みつきヒジを振るわんとしても素早く動いて脇下に入り込んだり、首投げのように抱え込んでブレークを呼び込む。そしていったん距離が離れれば左ストレート、左ロー、左ミドルとやはりスアキムを近づかせない。だが、ラウンド終了直前、スアキムもダッシュして追い、跳びヒザで那須川を襲う。


 最終回、前に来ようとするスアキムを那須川はボディストレートでストップ。左フックには上からかぶせる右フック、左ジャブにも右フックと、このラウンドもやはりパンチにはカウンターを取る。スアキムの右ミドルに脇腹をとらえられる場面もあったが、那須川はすぐに跳びヒザで反撃し、着地するとそのままスアキムを組み倒す。スアキムが右ミドル、右ストレートで最後の攻勢を掛けても、那須川はこれに左フック、左ストレートを返して試合終了。


 遂にキャリア初黒星を喫するかに思われた超強敵を迎えた那須川だが、結果は50−48、49−47、50−48の3−0で判定勝利。スピードで上回り、当て勘・予知力・技の判断力を含めたパンチスキルの高さを見せ、さらには総合格闘技の経験も生きたかスアキムをコカす場面も見せ、これまでの経験と能力を総動員して勝利した。試合後、マイクを持った那須川が「僕が最強でいいのかなと思うんですけどどうですか、みなさん?」と呼び掛けると、会場はこれに大歓声で応え、退場する那須川にハイタッチを求め、多くの観客が花道に押し寄せた。

ライト級Tは波乱のスタート

ライト級トーナメントは注目の不可思(右)がベテラン健太に苦戦しながらも判定勝利で初戦突破
ライト級トーナメントは注目の不可思(右)がベテラン健太に苦戦しながらも判定勝利で初戦突破【中原義史】

 また、昨年1年を通じてKNOCK OUTを盛り上げたライト級トーナメントに続き、今年はスーパーライト級(64圈砲撚座決定トーナメントがスタート。注目の不可思はベテラン健太の試合運びに手を焼きながら辛くも判定2−0で勝利したが、小野寺力プロデューサーも有力候補に挙げた水落洋祐はカットによるTKOで沖縄のマサ佐藤に敗れ、1回戦で姿を消す波乱があった。

長谷川亮
病弱だった幼少期にプロレスファンとなり、格闘技ファンを経て2002年に格闘技雑誌編集部入りし、2005年からフリーライターに。スポーツナビにはその頃から執筆。病床で何度も読み返したため「プロレススーパースター列伝」は大体暗記。趣味は下手の横好きでキックボクシングとブラジリアン柔術。

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