那須川「僕が最強でいいですか?」 タイからの難敵下して連勝伸ばす
2014年デビュー以来、最強の相手と言われたスアキムに判定3−0で勝利した那須川(左) 【中原義史】
2014年7月のデビュー以来、キックだけでなく総合格闘技も股にかけ連勝街道をひた走る那須川天心(現在プロ28連勝)、18年最初の相手はタイのスアキム・シットソートーテーウ。本来那須川と同じスーパーバンタム級でありながら強すぎて相手がおらず、2階級上のスーパーフェザー級王者と試合が組まれるもこれをノックアウト。“神童キラー”のキャッチフレーズにふさわしい、那須川史上最強の相手が用意された。
強敵相手に大技繰り出す
那須川は10センチの身長差ながらも側転蹴りなどの大技を繰り出していった 【中原義史】
2R、ミドルで攻めよらんとするスアキムだが、那須川はボディストレートを突き刺し、さらに前蹴りでも追撃し、スアキムの圧力を削る。那須川は右ボディフック、顔へのストレートとスキの見極めと技の選択が高速かつ正確で、強敵を相手にしながら跳びヒザ、側転蹴りといった大技もいつもと変わらず繰り出して見せる。
3R、右ミドルを攻撃の起点にするスアキムだが、那須川はこれを受けて手で流し、そこから左ロー、左ストレートと変化に富んだ攻撃を返す。パンチを繰り出してもやはり那須川にカウンターを合わされるため、スアキムはラウンド中盤から圧力を増して距離を潰しに出る。
目立ったパンチスキルの高さ
当て勘・予知力・技の判断力を含めた那須川のパンチスキルの高さが勝因につながった 【中原義史】
最終回、前に来ようとするスアキムを那須川はボディストレートでストップ。左フックには上からかぶせる右フック、左ジャブにも右フックと、このラウンドもやはりパンチにはカウンターを取る。スアキムの右ミドルに脇腹をとらえられる場面もあったが、那須川はすぐに跳びヒザで反撃し、着地するとそのままスアキムを組み倒す。スアキムが右ミドル、右ストレートで最後の攻勢を掛けても、那須川はこれに左フック、左ストレートを返して試合終了。
遂にキャリア初黒星を喫するかに思われた超強敵を迎えた那須川だが、結果は50−48、49−47、50−48の3−0で判定勝利。スピードで上回り、当て勘・予知力・技の判断力を含めたパンチスキルの高さを見せ、さらには総合格闘技の経験も生きたかスアキムをコカす場面も見せ、これまでの経験と能力を総動員して勝利した。試合後、マイクを持った那須川が「僕が最強でいいのかなと思うんですけどどうですか、みなさん?」と呼び掛けると、会場はこれに大歓声で応え、退場する那須川にハイタッチを求め、多くの観客が花道に押し寄せた。
ライト級Tは波乱のスタート
ライト級トーナメントは注目の不可思(右)がベテラン健太に苦戦しながらも判定勝利で初戦突破 【中原義史】
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