菅野、田口に続く3番手以降が飛躍の鍵 V奪還狙う巨人の先発ローテを占う

ベースボール・タイムズ

絶対的なエースとして巨人の先発陣を支える菅野 【写真は共同】

 スローガンに『奮輝〜GIANTS PRIDE 2018〜』を掲げてスタートした今季の巨人。2月1日から宮崎でキャンプインし、その後15日からは沖縄・那覇へ場所を移して、6年ぶりの日本一奪還への臨戦態勢を整えて行く。その基盤となるのは、やはり先発ローテーションだ。新戦力も加入した巨人の2018年型先発ローテを占いたい。

信頼のエースと2番手左腕

 冷たい雨が降った春季キャンプ初日の1日、木の花ドームのブルペン脇で、菅野智之は悠然とチームメイトの投球を見つめていた。昨季17勝5敗、防御率1.59で沢村賞も受賞した不動にして信頼のエース。昨年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)も見据えた調整を強いられたが、今年は自チームに専念。1月末の合同自主トレからすでに捕手を座らせ、新球シンカーの習得に手応えを感じながら、翌2日、さらに第1クール最終日の4日と2度のブルペン入りで貫禄のピッチングを披露した。

 そのエースを追うのが、プロ5年目の田口麗斗だ。2年目に1軍デビュー、3年目に2ケタ10勝を挙げ、4年目の昨季には13勝4敗、防御率3.01と順調にステップアップしてきた左腕は今季、菅野に続く「2番手」の枠を飛び越え、「左右の両輪」「Wエース」の座を狙う。キャンプでの投手のみでの守備練習では、誰よりも声を出してムード作り。内海哲也が今年は2軍スタートとなったことから、投手陣の盛り上げ役も担っている。斎藤雅樹投手コーチは、先発陣に「70勝」のノルマを課しているが、そのためには菅野と田口の2本柱で昨季と同じ30勝&貯金21は稼ぎたいところだ。

「FA」「新外国人」、新戦力の期待度は?

 2本柱は外せない。注目は3番手以降の争いであり、昨季27試合188イニングに登板して14勝8敗、防御率2.25と投手陣を支えたマイコラスの穴を、誰が埋めるのか。果たして埋めることができるのか、である。その意味で期待したいのが、新戦力として入団した野上亮磨とヤングマンの2人である。

 埼玉西武からFA加入した野上は、キャンプ初日から4日連続のブルペン入り。3日目には80球を投げ込んだ。12年の途中から先発ローテを担った30歳右腕は昨季、規定投球回数以上の投手の中で秋山拓巳(阪神)、マイコラス、菅野に次ぐ与四球率1.50の安定感を示し、奪三振率も前年の5.21から7.06に大きく進歩させた。だが、2ケタ勝利を挙げたのは2度(13年11勝、17年11勝)のみで、プロ通算では53勝56敗と負け越している。過度の期待は禁物だろう。

 新外国人のヤングマンの方が未知数ではあるが、193センチの長身に11年の全米ドラフト1巡目(全体12位)で指名された男と聞けば、期待は否応なく高まる。今キャンプでは初日と4日目にブルペン入り。ダイナミックなフォームから力強いストレートを披露し、「日本に来る前からキャッチャーを座らせて投げていた」と仕上がりも早い。球団職員からは「非常に真面目な選手」との評で、守備練習でも無難なフィールディングを見せた。外国人枠が4枚(マギー、ゲレーロ、マシソン、カミネロ)埋まった中での5番手からのスタートになるが、今後のアピール次第で序列が変わる可能性は十二分にある。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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