“熱男”松田宣浩の元気の源流〜最高の準備でメンタルを作る〜

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1月中旬、グアムからの自主トレ帰りの“熱男”こと松田に、その元気の源流はどこにあるか、話を聞いた 【スポーツナビ】

 2年連続日本一を狙う福岡ソフトバンクのチームリーダー、松田宣浩。いまや“熱男”と言ったほうがファンには伝わるだろう。いつも元気にチームを鼓舞する松田のプレースタイル。その源流は何なのか? 灼熱のグアムで充実した自主トレを過ごし、精悍な顔つきになった松田に話を聞いた。

「熱男――」がもたらす効果

昨年3月のWBCではキューバ戦で一発を放ち、野球ファンの前に「熱男ーー」を披露した 【写真は共同】

 まずは元気の象徴ともいえる“熱男”について――。ホームランを打ったあと、ベンチ横で右手を突き上げながら「熱男――」と叫ぶパフォーマンスは、2017年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC/キューバ戦)でも披露し、もはやソフトバンクという1チームの枠を超えて、日本の野球ファンに定着した。そのきっかけは、15年にソフトバンクが掲げたスローガンが“熱男”だったことによる。「みんな本塁打を打ったあとにポーズをとったりしている中で自分なりに考え始めたのが“熱男”でした」。そして、「熱くないといいプレーはできないし、プロに入団したときから元気を出してやろうと思っていました。僕みたいな選手ってホームランをバコバコ打つとか、どんどん打点を稼ぐとか、3割打つとか、そういうタイプじゃないので、これでチームの雰囲気を変えたいというのもあります」とその意図を明かしてくれた。

 チームを盛り上げる行動だが、その相乗効果は個人成績にも現れている。15年から35本塁打、27本塁打、24本塁打を放ち、3年連続全試合出場。チームの2度の日本一に貢献し、第4回WBCの日本代表にも選出されている。「勇気がいるし、成績が落ちてきたら……という怖さは持っていますよ」ともいうパフォーマンスだが、目立つことをやることで成績を落とせないというプレッシャーを自身にかけている。

 そもそも関東ではファンに「熱男ーー」と声をかけられることも多いらしい。「うれしいですよね。そもそも“熱男”なんて言葉は今まで聞いたことなかったですしね。スローガンが15年に出てきて、いいめぐり合わせでした」と、“熱男”が定着したことを素直に喜んだ。

勝利というビジョンをチームで共有

2017年、抜群のチームワークで2年ぶりの日本一に輝いたソフトバンク 【写真は共同】

 2017年の日本一はチームワークの勝利と言われた。プロ13年目、今年で35歳となり、野手では1学年上の内川聖一らとともにベテランの枠にくくられる。チームリーダーと言われている松田はどのような役割を担っているのかを聞いてみると、意外な答えが返ってきた。

「ホークスベンチは明るいとか元気とか言われますが、『もっと声出していこうぜ』とか言い合うことはないんです。同じチームで、同じユニホームを着て、同じ目標にした選手たちなので、明るくやったり、楽しくやったりしたほうがいいんじゃないか、元気にやったほうがいいんじゃないかって。それをみんなで意識しながら、勝利というビジョンを共有してやっている形ですね」

 ただ、ベテランなりに「やりやすい環境づくり」を意識するという。松田が率先して「熱男――」をやることで、チームの雰囲気を明るくし、若手のやりやすい環境づくりを大きく後押ししている。

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