【KNOCK OUT】選手たちの“覚悟”が熱狂を作る 小野寺Pが激闘の1年を振り返る

長谷川亮

2月に18年最初の大会が開催されるKNOCK OUT。今回は小野寺プロデューサーに1年目の戦いを総括してもらった 【スポーツナビ】

 2016年12月に旗揚げ興行を行い、17年12月には両国国技館でビッグマッチを開催したキックボクシングイベントのKNOCK OUT。1年間の戦いを通じてKO率が高く、激しい試合で観客も熱狂した。

 そして2年目となる18年には2月12日の大田区総合体育館大会からスタート。新たに「初代スーパーライト級トーナメント」も開幕し、精鋭8人が頂点を目指して争うことになる。

 この1年の振り返りと18年の展望を小野寺力プロデューサーに聞いた。

選手に救われた1年だった

全試合盛り上がったライト級トーナメントのほか、出場する選手たちの覚悟が見られ、年間を通して良い試合が続いた 【写真:中原義史】

――16年12月の旗揚げからKNOCK OUTはちょうど1年目のシーズンを終えました。充実したスタートイヤーだったのではないでしょうか?

 本当に昨年1年は、一言で言えば選手に救われたというのが一番じゃないかと思います。本当にみんな努力をして、体を張って命を削って、われわれが想像した以上のものをリングの上でやってくれました。本当にみんな覚悟を持ってこのリングに上がってくれて、選手たちの上手いとか強い、速いっていう技術的なことだけじゃなく、人間的な部分もテレビ番組で追いかけて掘り下げていき、そういうことがどんどん広がっていくことでさらに応援しようということをファンの方が思ってくれたと思います。

――ライト級トーナメントで言えば、優勝した森井洋介選手はもちろん、準優勝の勝次選手や町田光選手、前口太尊選手、不可思選手であったりも人間性が伝わり光ったと思います。

 負けたからといって決してそれで終わりではありませんし、負けてもいくらでも取り返すことができます。負けた選手にもドラマがあって、その負けた選手の今後、再起からの復活というところを追い掛けていけば絶対に面白いものが作れるはずなんです。まだまだやり足りないことはたくさんありますが、僕も選手出身なので、やっぱり選手たちが少しでも多く注目を浴びて、他のメジャースポーツの人たちと肩を並べられるぐらいの露出や収入を得られるように持っていきたいです。

――小野寺プロデューサーから見て、那須川天心選手、森井選手以外で昨年目についたのはどの選手になりますか?

 たくさんいるのですが、小さいという意見もあった50キロでフライ級の石井一成選手や能登龍也選手、いわば女性と変わらない体重の選手でも、人を魅了することができる手応えを感じました。あとは女子の試合もこれまではどうしても男子に見劣りしていましたが、小林愛三選手は男子の中でも全然そん色なく、もうアッという間に終わってしまうかの試合ですし、若くていい選手です。ほかにも田嶋はる選手もいますし、まだ参戦していないいい選手がいますので、そういう選手にもスポットを当てていきたいです。

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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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