エディーが語るラグビーW杯 「NZに勝てる気配を感じている」

今後の日本代表は「戦術を使い分けられるように」

フィジカル強化の必要性を語るジョーンズ氏「仕上げるのはラグビーでは最低限の話」 【ラグビーワールドカップ2019組織委員会】

――もしエディーさんが2019年W杯に向けて日本代表のコーチをしていたら、前回大会の継続路線でフィジカルを鍛えるためにハードトレーニングを続けていたのか、あるいはほかの方法をとっていましたか。

 ラグビーはフィジカルの戦いです。ある選手がボールを持った、そこのラインを超えるためにはその選手を止めないといけない。もしくは自分がボールをもらったら、自分は相手のラインを超えていかないといけない。そのためにはフィジカル的にタフにならなければいけないし、フィジカル面を仕上げるのはラグビーでは最低限の話です。相撲と同じで、140キロなければ土俵にすら立てません。

 でも、日本がラグビーネーションとして今後先に進んでいくためには、戦術的にもっと賢くなり、自分たちで戦術を使い分けられるようにならなければいけない。たとえば、ラインアウトで早くボールを勝ち取る方法を見つけ出す。スクラムで早くボールを勝ち取る方法を確立する。ラックで早くボールを勝ち取る術を習得する。そうしたことが必要です。

「イングランド人と日本人はとても似ています」

イングランド代表を率いて、輝かしい成績を残しているエディー・ジョーンズ氏 【写真:ロイター/アフロ】

――前回大会後、エディーさんがヘッドコーチに就任したイングランド代表は素晴らしい成績を残しています。日本代表に「ジャパンウェイ」を植え付けて強くしたように、イングランドでは「イングランドウェイ」を確立しているのですか。

 そういうことを話したりはしないですが、実際に行っているのはそうですね。イングランド代表ではイングリッシュスタイルラグビーを築き上げています。
 この3年間で選手たちは本当にフィットしてきました。W杯本番までに残り20%の道のりがあるので、ウイニングマインドセットをチームに落とし込んでいるところです。

――イングランド人にとって必要なウイニングマインドセットは、日本人が必要なものと同じですか、違うものですか。

 イングランド人と日本人はとても似ています。すごく礼儀正しく、親切で、成功に対してそこまで貪欲ではありません。というのは、すでに心地いい生活を送っているからです。イングランド代表におけるメンタルチェンジのプロセスは、日本でやったことと結構似ていますね。

「W杯ではかなりの確率でチャンピオンになれる」

2019年ワールドカップ日本大会に向けて準備を進めている 【写真:ロイター/アフロ】

――それぞれのチームには独自のスタイルがあるという話がありましたが、イングランド代表はW杯でどうやって勝とうとしていますか。

 運動量として優れているわけではないので、戦術的に賢く戦わないといけないと思います。本当に強みを生かす、そして相手の強みを最小限に抑えるための戦いをしなければいけません。

――ずばり、イングランド代表がW杯で優勝するチャンスはどれくらいありますか。

 かなりあると思います。いま、世界ランキング2位のチームです。この2年に限れば、世界で一番成功を収めているチームだと思います。選手たちは2017年、ライオンズ(ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズ=イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの代表選手で構成する特別チーム)としてニュージーランドに行って引き分けました(1勝1敗1分)。つまりニュージーランドに勝てるという気配を感じていて、それが自信につながっています。W杯ではかなりの確率でチャンピオンになれると思います。

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