楽天・則本が語るリーグ制覇への決意 「あと一つの壁を乗り越えられるように」

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2017年は「悔しさしかない」と語る楽天・則本 【スポーツナビ】

 2017年、チームトップの15勝をマークし、東北楽天を4年ぶりとなるクライマックスシリーズ(CS)に導いた則本昂大。3月のワールド・ベースボール・クラシックから10月のCSファイナルステージまで、例年よりも長いシーズンを過ごした則本はこのオフ、どう過ごしているのか。13年のルーキーイヤーからフル回転で楽天を支える右腕に、話を聞いた。

「もっといい成績を残すことができた」

――17年、楽天はリーグ3位、CSではファイナルで福岡ソフトバンクに敗れました。昨シーズンを振り返ると、どんな言葉が浮かびますか?

 まず一番に浮かぶ思いは「悔しさ」しかないですね。

――個人としては15勝7敗、防御率2.57。奪三振は222個で最多奪三振のタイトルを獲得しました。

 ある程度の成績を残すことができたとは思いますが、もっといい成績を残すことができたとも思っています。

――具体的には?

 やっぱり防御率はもっと良くしていかないといけないですし、そこは投手個人の力でなんとかできる部分が大きいと思うので、2点台前半、1点台へと。そうすればもっと勝てただろうし、チームの順位も上がると思うので。

――楽天はデータ面をとても重視しています。

 トラックマンを最初に導入したことで、データ解析など、それを処理して説明する力は他球団に比べればあるはずです。自分でもそれを有効活用できていたと思います。例えば、登板した次の日に投球データが上がってくるので、そのデータを見て、自分が良かったと思っていてもデータが悪かったこともありますし、自分の感覚では悪かったなと思ってもデータとしては良く出ているときもあるので、そこから次の登板までにどうしていくのかを決める一つのアイテム、という形ですね。

――自分の感覚とデータとをすり合わせて判断していくと?

 なぜ打たれたのかについて、データが悪ければそのデータを良くするにはどうすればいいかを考えますし、打たれたとしてもデータが良かったのならそれ以外のところ、配球であったり状況判断であったり、という分析に持っていけるので、ポイントが明確になりますね。

「菅野さんと過ごした時間は貴重」

登板翌日のリカバリーを重視することで1年を通して離脱なくシーズンを過ごしている 【スポーツナビ】

――17年はWBCからCSファイナルまで戦いました。その中で、WBCで得た経験はありますか?

 菅野(智之/巨人)さんとずっと一緒に行動させてもらって、その時間はすごく貴重でした。そのおかげもあり、17年は15勝とキャリア最多タイの成績を残すことができたと思っています。練習への姿勢とか、考え方とか、そういった部分でそれぞれにしか分からないものもあるわけなので、それを共有し合えたことは、本当にいい時間になりましたね。

――新人の13年から17年まで、毎年ほぼ先発ローテーションを守っています。2年目の14年から16年まで、3年連続で投球イニングがリーグ最多でした。離脱なく、シーズンを通して働ける要因はどこにあるのでしょうか?

 まずは強い体で産んでくれた両親のおかげだと思いますが、それを生かすも殺すも自分次第なので、そこは感謝しながら自分のトレーニングにも気を使いながらやっています。あとはシーズン中、ローテーションを外れなかったとしても、身体がきつい試合や時期があるんです。1年のうち、2、3試合は。そこをいかにトレーニングコーチやトレーナーさんの力を借りて、乗り越えていくかです。個人でどうこうというよりは、周囲のサポートもあってシーズンを休みなく過ごせていると思います。

――投手として、身体のバランスや筋肉などで意識する部分はありますか?

 試合で投げた後は肩や肘の位置が普段とはズレているわけなので、トレーニングコーチやトレーナーさんの手を借りて、あるべき位置に戻してもらうこと、それが一番大事かなと思っています。登板翌日が一番大事ですね。

――リカバリーが大事?

 そうですね、先発投手は投げた後に6日ほど時間があるので、登板翌日をいちばん大切な一日だと思って過ごしています。

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