日本パラアイスホッケー、平昌への道半ば 前哨戦惨敗から身につけたい「共通認識」

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平昌パラリンピックの前哨戦「2018 ジャパン パラアイスホッケーチャンピオンシップ」で5戦全敗に終わった日本 【写真は共同】

 平昌パラリンピック開幕までおよそ2カ月。その前哨戦となる「2018 ジャパン パラアイスホッケーチャンピオンシップ(以下CS)」が1月7〜13日にかけて、長野市若里多目的スポーツアリーナ(ビッグハット)で行われ、世界ランキング7位の日本は参加4カ国中最下位に終わった。

 今大会は同3位で平昌パラ開催国の韓国、4位のノルウェー、6位のチェコと上位国を招いており、この結果は“順当”と言えるかもしれない。だが、メダルを獲得するためにはいずれも本番で倒さないといけない相手である。

最終予選を突破、前哨戦に臨むも…

 日本は昨年10月に行われた最終予選で2位に入り、2010年バンクーバー大会以来、2大会ぶり5度目のパラリンピック出場権を獲得した。

 バンクーバーでは銀メダルに輝くも、その後は中心選手の引退に伴う世代交代の遅れなどにより低迷。前回のソチ大会(14年)は出場権を得られなかったが、バンクーバー経験者の復帰でチーム力が向上。再び檜(ひのき)舞台に戻ることができた。

 その前哨戦となるCSでは総当たりの1次リーグ、韓国との準決勝、チェコとの3位決定戦でいずれも黒星を喫し、1勝もできぬまま閉幕。以下が日本の各試合のスコアだ。

<1次リーグ>
日本 0−8 ノルウェー
日本 1−9 韓国
日本 3−4 チェコ

<準決勝>
日本 0−5 韓国

<3位決定戦>
日本 0−4 チェコ

 このように5戦合わせての総得点が4、総失点は30と、攻守で結果は芳しくなかった。1次リーグのチェコ戦こそ最終ピリオドまでリードを奪ってからの逆転負けだったが、その他の試合はいずれもワンサイドゲーム。「守りから攻撃のリズムをつくる」スタイルの日本にとって、特にディフェンス面での崩壊は目も当てられない状態だった。
 

キーパーから見た課題とは

「守りからリズムをつくる」日本にとって、福島(写真左)をはじめとしたキーパー陣の奮闘は不可欠だ 【写真は共同】

 1次リーグのノルウェー戦、韓国戦の大量失点について、中北浩仁監督はリンク上を「家」に見立てながら振り返っている。

「初戦と2戦目は家の土台であるゴールキーパーが崩れました。この崩れ方は私にとっても非常にショックでしたが、土台がつぶれたら家は建ちません」

 8点差や9点差というのはアイスホッケーにおいて致命的な点差。まずはキーパーが相手のシュートを確実に止めることで、失点を少なくしたい。セービング技術の向上は必須の課題になる。

 準決勝で韓国と再び相まみえた際は5失点にとどめたが、それでも「ちょっと多いかな」とキーパーの福島忍(長野サンダーバーズ)は唇をかんだ。

「どうディフェンスを動かすかという時に、相手の誰がフリーか、スティックで氷をたたいて知らせたりはしたが、声かけが足りなかった。特にパックを取られて自陣に戻る時、相手が走る前に、ある程度教えないといけなかった。まだまだ失点は抑えられると思います」

 キーパーはリンク全体が見えるポジションで、状況の把握がしやすい。ディフェンス陣へのコーチングも重要な仕事のひとつだ。技術だけでなく、連係面においても改善の余地がある。

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