「Freeride World Tour」開幕戦が白馬で フリーライドスキー・スノボ世界選手権

後藤陽一

人気急上昇中の「フリーライド」国際大会が、グレードアップして白馬村に帰ってくる 【freerideworldtour.com】

 昨年1月に日本で初めて行われた、自然のままの斜面を滑る「フリーライド」の国際大会、Freeride Hakubaが、今年は世界5大大会の一つとしてグレードアップして白馬村に帰ってきた。日本人2人を含む、世界11カ国47人の最高峰のライダーが、白馬のアルパインエリアで、北アルプスの大斜面を猛スピードで滑り下りる。

 平昌で間もなく開幕する冬季オリンピック競技の種目である、アルペンスキーやモーグル、ハーフパイプと異なり、人口の設置物が無い自然の山の斜面にスタートとゴールのゲートを置き、選手は自分で選んだコースを自分のスタイルで滑り、ジャッジがそれを双眼鏡で見て採点する。

 サーフィンやスケートボード、BMXなど、「ストリートスポーツ」や「エクストリームスポーツ」と呼ばれてきたスポーツが次々と東京オリンピックの正式種目として採用されている中、冬のエクストリームスポーツとして海外で人気急上昇中の、次世代の冬の注目競技である最高峰の大会が日本に初めて上陸する。




 日本のパウダースノーは海外で「JAPOW」(Japanese Powder Snow)と呼ばれ、白馬村や、北海道ニセコに代表される日本のスキー場には近年多くの外国人がスキーにやって来ている。白馬村は、世界600以上の放送局で放送され、インターネットで行われるライブ中継を100万人を超える人が視聴する「Freeride World Tour(FWT)」を開催することで、海外へのPRを図り、また、合わせて行う講習会などを通して、ニーズが急速に高まっている「バックカントリー」の安全啓蒙にもつなげる狙いだ。

FWTを構成する4つのカテゴリー

年間ランキング上位50人による世界最高レベルの戦いが繰り広げられる 【freerideworldtour.com】

 フリーライドの競技は、自然の斜面ならではの複雑な地形を安定して滑る技術や、「クリフ」と呼ばれる段差から踏み切るジャンプの難易度を採点して順位を決める。そしてそのフリーライドの世界一を決定する世界最大のツアーがFWTだ。

 FWTは以下の4つのカテゴリーで構成されている。

(1)「Freeride World Tour(FWT)」
 男/女・スキー/スノーボードの4種目合わせて4000人を超える選手の中で、年間ランキング上位50人しか出場できない、世界最高レベルのプレミアシリーズ。
平均40度以上の斜度、400m以上の標高差など、FWTを開催できる条件をクリアする場所は世界でも非常に限られている。条件を満たす斜面へのアクセスが容易で、1月中旬に安定した積雪がある白馬は、この時期にFWTが開催出来るアジアで唯一の場所と言っても過言ではない。
 FWT Hakuba 2018は、20年を超えるFWTの歴史の中で初めて、アジアで行われる大会となる。

(2)「Freeride World Qualifier by Tyrolia(FWQ)」
 FWQは、「1スター」(レベル1)から「4スター」(レベル4)にランク付けされる、FWTの予選リーグ。Freeride Hakuba 2018では、FWTに加えて「3スター」のイベントを開催。

(3)「Freeride Junior Tour by Head(FJT)」と「Freeride Junior World Championships Grandvalira(FJWC)」
 2011年から始まった、14歳から17歳のライダーのジュニアツアー。 世界中で年間70のイベントが開催され、アンドラで行われるFJWCで年間チャンピオンが決定する。

(4)「FWT Academy」
 ヨーロッパ各地のスキースクールと連携し、FWTが監修するフリーライドのレッスンを提供。フリーライドの安全な楽しみ方を子どもから大人まで伝えている。
 日本でもプログラムの導入を複数のスキーリゾートと検討中。

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著者プロフィール

FWTジャパン株式会社 マネージングディレクター /アジア事業統括責任者

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